「パワーポイント(パワポ)資料をどのようにまとめれば聞き手に伝わるのかが、よく分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。パワポ資料を分かりやすくまとめるためには、色使いやフォント、写真や文字を入れ過ぎないなど、ポイントに沿って作成する必要があります。
本記事では、パワポ資料を見やすくする8つのコツや作成前の下準備、お悩み別のおすすめレイアウトを解説します。
パワポの特徴やメリットとは?
パワポの特徴は、アニメーションやスライド機能を使って情報を聞き手に伝えられることです。スライドごとに文章と図表、画像などを入れてまとめたパワポ資料があれば、説明会などで聞き手に対し説明しやすくなるでしょう。
パワポを使うメリットは、以下のとおりです。
口頭だけの説明だと聞き手が具体的にイメージできず、分かりにくい印象を与えてしまうかもしれません。その点、パワポ資料があれば図や表、イラストによる補足が可能なため、聞き手がスムーズに情報をキャッチしやすくなります。
さらには、強調したい部分をアニメーション機能で目立たせて、聞き手の興味を引き付けられるところもパワポ資料のメリットです。複数人に対して一度に情報共有が可能なため、企業説明会やサービス紹介、学校での発表などのプレゼンテーションに向いています。
パワポ資料をまとめる前にやっておくこと
パワポ資料をまとめるときは、事前に資料を作る目的や聞き手に関する下調べが重要です。準備をせずにスライド作成をしてしまうと、ゴールが見えにくくなり、まとまりのない資料になる可能性があります。
パワポ資料を作る前にやっておくべきことは、以下のとおりです。
- プレゼンテーションの目的をはっきりさせる
- 聞き手を分析する
- 全体の流れと構成を考える
一つずつ確認していきましょう。
1. プレゼンテーションの目的をはっきりさせる
まずはプレゼンテーションの目的を明確にしましょう。目的が定まっていないと、ゴールが定まらず、内容を聞いてもらうだけになってしまいます。大事なのは、聞き手がプレゼンテーションの内容を聞いた後に、次の行動を起こせる状態にすることです。
例えば自社商品の魅力を説明する場合であれば、「商品を購入してもらうこと」がゴールとなります。
このように、パワポ資料を使ったプレゼンテーションが終わったとき、聞き手にどのような状態になっていてほしいのかを明確にすることが重要です。またプレゼンテーションの目的を理解していれば、パワポ資料の構成も考えやすくなります。
2. 聞き手を分析する
次に、聞き手について分析しましょう。プレゼンテーションの聞き手のことを細かく分析しておくと、パワポ資料の作成における情報の取捨選択がスムーズになります。
分析する項目は、以下のとおりです。
- 年齢
- 性別
- 役職
- 専門分野
- 悩み
- 顕在ニーズ(聞き手が自身で自覚している欲求)
- 潜在ニーズ(聞き手が自身で気付いていない欲求)
年齢や性別などの属性はもちろん、聞き手の専門分野やニーズも考えましょう。
聞き手に次のアクションを起こしてもらうには、潜在ニーズを考える必要があります。潜在ニーズとは、聞き手が自身で気付いていない欲求のことです。例えば「運動を始めたい」と考えている聞き手の顕在ニーズには、以下のようなものが挙げられます。
- 痩せたい
- 運動不足を解消したい
一方、潜在ニーズとして考えられるのは以下の欲求です。
- ワンサイズ小さい洋服を着こなせるようになりたい
- 運動を習慣にして、健康的に過ごしたい
潜在ニーズを明らかにすると、上記のように具体的な聞き手の悩みが見えてきます。潜在ニーズに対応した資料を作れば、聞き手の共感も得やすくなるでしょう。
3. 全体の流れと構成を考える
聞き手の分析が終わったら、パワポ資料の大まかな流れと構成を考えましょう。構成を考える手順は、以下のとおりです。
- 資料に盛り込みたい情報を箇条書きで紙にまとめる
- 情報をグループ分けして、どの順番で話していくか決める
- 考えた順番を基に、ラフなスライド案を作る
まずは思いついた内容を紙に書き出しましょう。その後、似た要素の情報をグループ分けし、話す順番を決めていきます。
次に「〇ページでは〇〇を伝える」「ここではグラフを使って説明する」「レイアウトやデザインはこのようなイメージにする」など、ラフなスライド案を作りましょう。スライド案を作るときは、紙をスライドに見立て、大まかな話の流れとスライドのイメージ図を書いていきます。イメージ図を作り込む必要はなく、大体のデザインや内容が分かれば問題ありません。
下準備が終了したら、実際にパワポ資料を作り始めます。
パワポ資料を見やすくまとめる8つのコツ
続いて、パワポ資料を見やすくまとめるコツを8つ紹介します。
1. 一つのスライドにつき、伝えるメッセージは一つに絞る
一つのスライドに対し、伝えるメッセージは一つだけに絞りましょう。
一つのスライドに情報が詰め込まれ過ぎていると、一番伝えたい内容が何なのかが、聞き手に伝わりにくくなります。また聞き手は同時に複数の情報を目にすることになるため、内容を理解するのにも時間がかかるでしょう。
例えば会社の事業内容を3つ説明したいケースであれば、箇条書きで事業内容3つを並べたスライドを1ページ作り、そこに続く形で、各事業内容を説明するページを1つの事業につき1ページずつ作ると良いでしょう。
2. 文字や画像を入れ過ぎない
スライドには、文字や画像を入れ過ぎないようにしましょう。入れ過ぎると情報量が多くなり、聞き手が理解するまでに時間がかかってしまいます。データや別の資料と合わせて説明したい場合でも、要点とデータは別スライドに分けるのが望ましいです。
3. 図の大きさ・文字列をそろえる
優先度が同じ図を複数入れるときは、大きさをそろえましょう。バラバラに配置されていたり、大きさが一つずつ異なったりすると、聞き手は情報を間違って受け取ってしまうかもしれません。
例えば、AとBを同じくらい大切なポイントとして伝えたい場合について考えてみましょう。Aが大きくてBが小さいと、聞き手は「BよりもAが重要なのか」と勘違いする可能性があります。2つを比較するなら問題ありませんが、優先度が同等なときは大きさをそろえておくのが無難です。
また、文字列をそろえるのも大切です。文字がふぞろいだと、全体的に読みにくくなり情報が伝わりにくくなります。配置をそろえるときは、パワポの「スマートガイド機能」を使うのがおすすめです。スマートガイド機能を使うと、文字などを垂直方向や水平方向でそろえるための目安となる赤い破線が画面に表示されます。
4. 基本的に使う色は3色にする
パワポ資料で使う色は、基本的に3色にしましょう。色を多く入れ過ぎると、聞き手は視覚的にも疲れてしまいます。
色を使い分けるときは、以下の3つに分けて考えましょう。
●文字のカラー : 黒・グレー
●メインカラー : 1色
●アクセントカラー : メインカラーの反対色で1色
背景の色は濃過ぎない色で、白かグレーなどの無彩色または薄めの色を選びましょう。
メインカラーは、主に見出しや強調したい部分に使います。企業のプレゼンテーションの場合、メインカラーはコーポレートカラーを使うのがおすすめです。コーポレートカラーがない場合は、資料で紹介する内容に合わせて決めましょう。例えば環境問題に関する資料の場合は、自然や植物を連想させる緑を使うのがおすすめです。
また、資料の中で特に見てほしい部分に使う色を、アクセントカラーと言います。アクセントカラーはメインカラーの反対色を選ぶと、よりその箇所が強調されて聞き手の印象に残りやすいです。
5. 重要なメッセージはスライドの左上に書く
重要なメッセージは、スライドの左上に書きましょう。人が物を見るときの目線は、基本的に左上から右上、その次に左下、右下の順で流れるとされています。これを「Zの法則」と呼びます。例えば最初に伝えたい内容や強く打ち出したい内容は、Zの法則に沿って左上に配置するのがおすすめです。
6. 文章の見やすさを意識する
スライド内の文章をより見やすくするためには、一文の長さや改行、行間などにこだわりましょう。文章を書く上で、見るべきポイントは以下のとおりです。
- 一文の長さを2行以内にする
- 改行を程良く取り入れる
- 行間を詰め過ぎない
- 余白を設ける
一文は2行以内にし、3行を超える場合は改行をして左揃えにしましょう。改行は、区切りの良い部分や段落ごとに入れると、文章が読みやすくなります。
また行間が詰まり過ぎていると、聞き手はどこからどこまでが一文なのかが分からなくなります。読みにくい印象を受けることもあるため、スライド内の情報量を考慮して調整するのがおすすめです。
情報同士の間やスライドの縁には、余白を設けましょう。図や文字が画面いっぱいに配置されていると、聞き手は視覚的に集中できず、内容を理解しにくくなります。適度に余白を設け、全体のバランスを整えることが大切です。
7. フォントはメイリオがおすすめ
フォントはメイリオがおすすめです。メイリオは視認性が高いフォントの一つで、ポップ過ぎず、どのような資料でも馴染みやすいところが特徴です。また、日本語と英語が混ざった資料作成にも向いていて、太字にしても読みにくさを感じさせません。遠くから見ても読みやすく、データを変換する際に文字化けしにくいところもメリットです。
8. スライドごとに番号を入れておく
スライドは1ページごとに番号を入れておきましょう。ページ番号が入っていると、プレゼンテーションが終わった後の質疑応答の際に役立ちます。例えば、聞き手が「〇番の~について質問があります」などとページ番号で質問箇所を示せるようになり、スムーズなやり取りが可能となるでしょう。
また発表者側はプレゼンテーションを行っている最中に画面でページ番号を把握できるようになるため、進行状況や時間調整にも便利です。
【お悩み別】パワポ資料のおすすめレイアウト
ここからは、パワポ資料のおすすめレイアウトを、お悩み別に紹介します。
1. どのグラフを使えば良いか分からない! 使い分けのポイントは?
グラフは、用途に応じて適したものを使い分けることが大切です。グラフの主な種類と使い方を以下の表にまとめました。
グラフの種類 | 使う場面 |
---|---|
縦棒グラフ | 数値がどれくらい伸びたかを示したいとき (例:売上・人数の増加) |
横棒グラフ | 数値や項目を比較したいとき (例:アンケートの回答内容・大きい順にデータを並べたい) |
円グラフ | 全体に対する割合や構成を示したいとき (例:会社の売上の内訳・男女の比率) |
折れ線グラフ | データの変化を時系列で見たいとき (例:1年間の売上・年間の気温の変化) |
例えば売上や人数の増加などを表す場合は、縦棒グラフがおすすめです。また、上から大きい順にデータを並べながら数値や項目を比較したいときは、横棒グラフが適しています。全体の内訳や比率を表すときは円グラフで、時系列で数値の変化を見たいときに使うのは、折れ線グラフです。
2. スライド内でフローや順番を分かりやすく伝えるには?
フローや順番を伝えるレイアウトは、主に横型と縦型です。
横型がおすすめとなるケースは、細かい説明が不要で情報量が少ないときです。例えば、一つひとつの手順よりも全体の流れを簡単に説明したいときなどに向いています。
縦型は、順番の説明を細かく入れたいときや情報量が多いときに適しています。自社サービスを導入してから利用開始までの流れや、申し込み方法など重要な事柄を一つずつ説明したいときは縦型にすると良いでしょう。
印象に残るプレゼンにするためのポイント
プレゼンテーションをさらに印象付けるには、資料のビジュアルだけでなく、話し方も重要です。最後に、印象に残るプレゼンテーションにするためのポイントを2つ紹介します。
1. 最初に全体像を伝える
冒頭では、伝えたい内容と順序などの全体像を伝えましょう。説明がないまま内容に入ると、聞き手はプレゼンテーションのテーマが分からない状態となり、情報を受け取りにくくなります。聞き手がスムーズに情報を受け取れるよう、最初に全体像を伝えておきましょう。
2. 間(ま)を取り入れる
間を取り入れることも大切です。プレゼンテーション中に適度な間を取り入れることで、聞き手が考える時間を与えられます。例えば、聞き手に何かを問いかけた後ですぐに答えを言うのではなく、3秒ほど間を空けてから話し出すと、聞き手の注目を集めやすくなるでしょう。
また間は、重要なメッセージを伝えるときにも有効です。聞き手に興味を持ってもらいたいときや、情報を強く印象付けたいときなどに、ぜひ使ってみてください。
【まとめ】まとめ方のポイントを押さえて分かりやすいパワポ資料を作ろう
分かりやすいパワポ資料を作るには、作成前に目的の明確化や聞き手の分析といった下準備が必要です。今回紹介した配置や大きさ、使用するカラーなどのポイントに沿って、内容をまとめていきましょう。
とはいえ、最初から見栄え良くデザイン性のあるパワポ資料を作るのは難易度が高く、時間も要します。行き詰った際はパワポ制作のプロに依頼するのがおすすめです。
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