見やすいパワーポイント(パワポ)資料の鍵となるのは、色や文字、画像とグラフ、レイアウトの工夫です。本記事では、見やすいパワポ資料を作るためのコツについて詳しく解説します。パワポで資料を作成するに当たって、「いつもごちゃっとしてしまう」「見やすく整えられない」という悩みを抱える方は、本記事でご紹介するポイントを押さえ、見やすいパワポ資料作りにトライしてみてください。
パワポ資料を作るときの4原則
見やすいパワポ資料に仕上げるためには、資料の読み手の負担を軽くすることが何よりも大切です。パワポを使うときに心掛けたい4原則を解説します。
1. 一つのスライドに込めるメッセージは一つだけにする
パワポ資料を作るときは、一つのスライドに対し一つのメッセージを入れることを意識してください。一つのスライドに情報が詰まりすぎていると、読み手が「読むのに疲れた」「結局何が言いたかったのか分からない」といった感想を抱いてしまいかねません。スライドの読みやすさや分かりやすさを重視し、情報を絞り込みましょう。
2. 文字は少なめに、画像・グラフなどは多めにする
見やすいパワポ資料に必要なのは、スライドの情報が絞り込まれていることに加えて、文字量が少ないことも条件の一つです。あまりにも文字が多いと読み手は負担を感じやすく、読むのにも時間が掛かってしまいます。
パッと見たときに理解しやすくするためには、スライドの文字量をなるべく少なくし、その分伝えたいことを画像やグラフに置き換えるのがおすすめです。ただしイラストを多用したり、装飾が派手なグラフを使ったりすると、かえって見にくくなるため注意しましょう。
3. 全体の構成を考え、文章を整えておく
パワポ資料を作るときは、はじめに資料全体の構成を組んでおきましょう。テーマに沿った構成を考えておくことで、資料自体の整合性が取りやすくなります。また、構成はそのままパワポ資料の目次にも活用できて便利です。
なお構成を組む際は、「タイトル」「問題点や課題」「解決案」「商材・サービスのメリット」などを書き出していくのがおすすめです。併せて、スライドごとに伝えたい内容や入れ込みたい情報を簡単にまとめておきましょう。
4. ターゲット層に合う内容を心掛ける
パワポ資料を作るときは、読み手であるターゲット層に合う内容にすることが大切です。例えば、専門用語や業界用語を使うかどうか迷ったときは、ターゲット層の知識量を考慮して決めると良いでしょう。
ターゲット層が幅広い場合は、誰にでも伝わる文章で書くのがおすすめです。難しい言葉や専門的な表現を使うと、読み手にとって理解しにくい資料になってしまうかもしれません。読み手がパワポ資料のテーマを理解できるよう、年齢・職業を問わず分かりやすい内容にしましょう。
見やすいパワポ資料を作るための4つのコツ【色編】
見やすいパワポ資料にするためには、スライドに使う色も工夫しましょう。見やすいパワポ資料を作るために覚えておきたい、色に関するコツを4つ紹介します。
1. メインカラー1色・サブカラー2色以内が基本
パワポ資料の作成に当たり、先述の4原則を基に構成が組めたら、次はメインカラーとサブカラーを選びましょう。色選びのコツは、見やすさと読みやすさです。
メインカラーとはその名のとおり、パワポ資料の配色の軸となる色のことです。メインカラーが異なるだけでも、読み手の印象は大きく変わります。また、サブカラーはアクセントカラーを含む補足的な色です。あまりに多くの色を多用してしまうとごちゃついた印象になってしまうため、メインカラーは1色、サブカラーは2色までに留めましょう。
なおスライドの背景色は白、文字色は黒もしくは濃いめのグレーにするのが一般的です。背景色を白以外にする場合は、背景色に埋もれない文字色を選びます。例えば背景色を濃い色にしたときは、白などの明るい文字色にしてみると良いでしょう。
2. 企業・ブランドに合ったカラーを選ぶ
メインカラー選びに迷ったら、コーポレートカラーやブランドカラーから選出するのも一つの方法です。
ただし赤・緑・青の原色や主張が強すぎる色は、メインカラーには不向きなので注意しましょう。このような色を使いたい場合は、メインカラーではなくアクセントカラーとして取り入れたり、明度や彩度を調整して使ったりすることをおすすめします。
3. 色が持つイメージを大事にする
色が持つイメージを重視する方法もあります。例えば赤は情熱、青は清潔感、緑はリラックスなど、色にはさまざまなイメージが紐づいています。読み手を混乱させないよう、パワポ資料で取り扱うテーマや商品・サービスのイメージに合う色をメインカラーに採用しましょう。
4. アクセントカラーを活用し、メリハリをつける
メインカラーとアクセントカラー(サブカラー)は、いわゆる補色の関係にある色を選ぶと、メリハリのついた効果的なスライドに仕上がります。補色は、赤と青など色相環の真逆に位置する色のことで、互いの色を引き立て合う関係にあります。
ただしアクセントカラーを多用すると、本来強調したい部分が目立ちにくくなってしまうため要注意です。パワポ資料で使用する色は、背景色:メインカラー:サブカラー(アクセントカラー)の割合が「70:25:5」くらいになるバランスを目安とすると良いでしょう。
見やすいパワポ資料を作るための4つのコツ【文字編】
次に、パワポ資料を作るときに意識したい文字に関するコツを4つ紹介します。
1. 見やすいフォントを使用する
1つ目のコツは、見やすいフォントを使用することです。具体的には、以下のようなフォントを基本とすると良いでしょう。
- 游ゴシック
- メイリオ
- ヒラギノ角ゴシック
游ゴシックは読みやすく美しいフォントとして、Googleドキュメントの標準フォントにも選ばれています。メイリオは丸みを帯びた大きめの字面で、少し離れた距離から見たときにも読みやすいフォントです。ヒラギノ角ゴシックはMacに対応したフォントで、太さのバリエーションが豊富にあります。
なお、パワポ資料における文字は読みやすいフォントを選ぶだけでなく、ちょうど良いフォントサイズに整えることも大切です。
2. プレゼンする環境に合わせて色を選ぶ
文字の色は、スクリーンやモニターで映し出すときの見やすさを重視しましょう。パワポ資料に使う文字色は、黒が基本です。とはいえ背景に対し文字色のコントラストが強すぎると、純粋な黒文字が読みにくくなることがあります。白色のスクリーンやモニターを使用する場合は、グレー寄りの色を選ぶのもおすすめです。
3. 改行・行間を工夫する
文章を読みやすくするためには、改行と行間にも気を配らなければなりません。
まず単語や一節の途中で改行すると文章が読みにくく見えるため、区切りの良いところでの改行が望ましいです。行間が狭すぎたり開きすぎたりした文章もまた、読みにくい印象を与えます。スライドのデザインやレイアウトを考慮した、読みやすい行間の設定をおすすめします。
4. サイズ・太字・色などで強弱をつける
メリハリのついたパワポ資料にするためには、アクセントカラーを使って重要な部分を強調する他、文字のサイズや太さを変えるのも一つの方法です。見出しやリード文だけ太字にする、フォントサイズを上げる、強調したい一節だけハイライトの色を設定するなどして、スライド全体にメリハリをつけましょう。
ただし斜体や下線を使うのはあまりおすすめできません。強調する箇所が多くなれば多くなるほど見にくくなるため、文字装飾はなるべく避けた方が無難です。
見やすいパワポ資料を作るための2つのコツ【画像とグラフ編】
画像やグラフも、強調したい部分を分かりやすく伝えられる視覚的要素です。パワポ資料で使用する画像・グラフに関するコツを2つ紹介します。
1. 画像は強調したい部分を切り取る
パワポ資料に画像を入れるときは、重要な部分がきちんとフォーカスされているかどうかに注目してみてください。場合によっては、トリミングした画像を使用しましょう。例えばオンライン会議の写真を載せるとき、カメラを引いたバックショットをそのまま使うのはおすすめできません。人物とパソコンの画面がはっきりと見えるよう、必要な範囲のみをトリミングして切り出すと良いでしょう。
また強調したい人物・物を認識しやすい画像を選ぶことも大切です。背景と人物・物の色合いが似通っている画像などは、避けた方が無難です。
2. グラフは必要な部分のみ抜粋する
パワポ資料に入れるグラフも、画像と同様、メッセージ性が薄れていないか確認してみてください。例えば毎年の売上を棒グラフにする場合、10年分の実績をそのまま表すのではなく、売上が大きく変動した数年のみ抜粋する方がすっきりしていて分かりやすい場合があります。グラフの情報を少なくして読み手の負担が軽くなれば、スライドで強調したいことが伝わりやすくなるでしょう。
見やすいパワポ資料を作るための4つのコツ【レイアウト編】
最後に、パワポ資料のデザインを決めるレイアウトのコツを紹介します。
1. ガイド線を活用し、均一な余白を設ける
まずはガイド線を設定しましょう。ガイド線とはスライドを区切る線のことで、画像や文字を配置する目安となるものです。ガイド線を設定すれば、画像や文字ごとに上下左右の位置がズレるのを防ぐことが可能です。レイアウトをコピーして全ページに適用すれば、全体を通してバランスの良いパワポ資料に仕上がるでしょう。
またパワポのページを作る際は、ガイド線によって余白を調整できます。余白をやや広めにとると、読み手がスライドに集中しやすくなります。
2. 各要素の大きさや配置をそろえる
見やすいレイアウトの基本は、画像やグラフ、文字といったパワポ資料内の各要素の大きさや配置がそろっていることです。例えば一つのスライド内に画像を並べて配置するとき、サイズが異なる画像が混ざっていると、大きく表示されている方の画像が悪目立ちする恐れがあります。「複数の画像のうち、1枚だけ強調したい」といった場合を除き、サイズは徹底して揃えることが大切です。
3. 左上から右下に読めるようにする
文字を配置するときは、左上から右下に読み進められるよう工夫してみてください。人の視線の動き方には、左上→右上→左下→右下と移っていくZ型をはじめ、複数のパターンがあります。いずれも左上から見るようになっているため、最も重要な情報を左上に、比較的優先度の低い情報を右下に入れると、より伝わりやすくなるでしょう。
なお「左は過去」「右は未来」を指すとする考え方もあります。従って画像でビフォー・アフターを表すときは、左にビフォーの画像、右にアフターの画像を配置するのがおすすめです。
4. 関係がある内容は固めておく
関連性の高い要素同士は、固めて配置するのもレイアウトのコツの一つです。情報が散らばっていると、読み手の負担が大きくなります。例えばパワポ資料内で画像とその補足文章を入れ込む場合は、画像と文章をセットにして配置するのがおすすめです。
【まとめ】見やすいパワポ資料の鍵は、各要素の確認
パワポで見やすい資料を作るコツは、色と文字、画像・グラフ、レイアウトの各要素を適切に整えることです。例えばスライドに使う色は原色を避け、メインカラーは1色、サブカラーは2色以内に留めましょう。游ゴシックやメイリオといった見やすいフォントを選ぶ、改行や行間を調整する、スライドごとの余白・画像の大きさ・位置を均一にするといった調整も大切です。
なお、自社でパワポ資料を制作するのが難しい場合や、「コーポレートカラーをバランス良く使って見やすいパワポ資料に仕上げたい」などの要望がある場合は、パワポ制作サービスの利用を検討すると良いでしょう。
株式会社ユニモトのパワポ制作サービス「デザポ」では、企業のサービス案内資料やイベント用プレゼンテーション資料、大学の講座資料など、さまざまなパワポ資料の制作を行っています。デザインを担当しているのは、経験豊富なグラフィックデザイナーたちです。クオリティにこだわったパワポ資料を制作したいとお考えの際は、ぜひデザポの利用をご検討ください。