「パワーポイントの背景をカスタマイズしたいけど、やり方が分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。背景の設定は、色や画像を入れるシンプルな方法からグラデーションや透かしなどの応用方法まで多岐にわたります。
本記事では、パワーポイントの背景の簡単な設定方法から応用の設定方法までを詳しく解説します。記事で紹介する流れを参考に、背景の設定をしてみてください。
パワーポイントの背景とは?
パワーポイントの背景とは、スライドの文字や画像の背面に位置する部分を指します。スライドの雰囲気を決める要素であり、資料の見やすさに直結する部分です。
背景を設定する前はデフォルトの白になっていますが、色や画像を付け加えたり、テンプレートのデザインを使ったりすると、スライドの見た目が変わります。資料の内容や目的、伝えたい情報によって背景を調整すれば、聞き手の印象に残るデザインになるため、プレゼンテーションや営業の場では特にこだわることが重要です。
パワーポイントの背景の簡単な設定方法
まずは簡単にできる背景の設定方法を3つ解説します。
- 背景に色を付ける方法
- デザインテンプレートを使う方法
- 背景に画像を入れる方法
i. 背景に色を付ける方法
デフォルトの白い背景に色を付ける方法を解説します。簡単かつ短時間でできる方法で、シンプルで見やすいスライドになる点がメリットです。
設定方法は以下の通りです。
- 色を付けたいスライドを選択する
- 「デザイン」タブを開く
- メニュー右の「背景の書式設定」を選択する
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(単色)」を選択する
- 色の横にある「バケツアイコン」をクリックして、好きな色を選択する
- 5で選んだ色に背景が変わる
全てのスライドに適用したい場合は、5で色を選択した後にメニュー下の「すべてに適用」をクリックしてください。
背景に色を付けるときは、できるだけ目に優しい穏やかな色を選びましょう。はっきりした色だと、スライドが見にくくなる可能性があるためです。
ii. デザインテンプレートを使う方法
パワーポイントに用意されているデザインのテンプレートを使って設定する方法もあります。デザインに詳しくない方でも、おしゃれで見栄えの良いスライド作成が可能です。
それでは、以下の手順で設定していきましょう。
- 「デザイン」タブを開く
- 上部にデザインの一覧が何個か表示される
- 右側一番下の下矢印をクリックし、一覧の中から好みのデザインを選択する
目的に合ったクオリティの高いスライドを作りたい場合は、特定のキーワードを検索してテンプレートを探す方法もあります。例えば「旅行用のデザイン」「代理店向けデザイン」などがあります。設定方法は以下の通りです。
- 「ファイル」タブを開く
- 左メニューから「新規」を選択する
- 表示されているデザイン一覧から好みのものを決める
- もしくは「オンラインテンプレートとテーマの検索」に特定のキーワードを打ち込んで検索する
- 好みのデザインを選択し、「作成」をクリックする
上記の方法はデザイン性の高いスライドを作成できますが、デザインの型がある程度決められているテーマもあります。パワーポイントでの資料作成に慣れていない場合は、最初に紹介したデザインタブから選択する方法がおすすめです。
iii. 背景に画像を入れる方法
背景に好きな画像を入れる方法を解説します。オリジナリティを出したい場合や、スライドのイメージを強調したい場合におすすめの方法です。
設定方法は以下の通りです。
- 該当のスライドを選択する
- 「デザイン」タブから、メニュー右の「背景の書式設定」をクリックする
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択する
- 「画像ソース」の「挿入する」を選択する
- 図の挿入ウィンドウの「ファイルから」を選び、該当のフォルダから背景にしたい画像を選んだら「挿入」をクリックする
2で開いた「背景の書式設定」から「すべてに適用」を選ぶと、全てのスライドの背景が画像になります。ただし、デザインがごちゃ付く可能性があるため、全体的なバランスを考慮しながら設定しましょう。
パワーポイントの背景をカスタマイズする方法
基本的な背景設定方法を押さえたら、パワーポイント資料の見栄えをさらに良くするためのカスタマイズ方法に挑戦してみましょう。ここでは、以下の方法を解説していきます。
- 背景画像に透かしを入れる方法
- 背景画像をぼかす方法
- デザインテンプレートをベースにしながらスタイルを変更する方法
- 背景にテクスチャを付ける方法
- 背景にグラデーションやパターンを付ける方法
i. 背景画像に透かしを入れる方法
色素が強い画像を背景に選ぶと、テキストやグラフが見にくくなる場合があります。その場合は、画像に透かしを入れてみましょう。画像の主張が控えめになり、視認性が高い資料になります。
透かしを入れる方法は、以下の通りです。
- 透かしを入れるスライドを選ぶ
- 「デザイン」タブから、メニュー右の「背景の書式設定」をクリックする
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選ぶ
- 「画像ソース」の「透明度」のバーを右に動かす
4で動かすバーは、%が高くなるほど透明度が強くなり全体的に薄くなります。また、メニュー下の「すべてに適用」をクリックすると、設定内容が全スライドに反映されます。
ii. 背景画像をぼかす方法
背景画像をぼかすことで、テキストがはっきり浮かび上がるようになります。以下の手順で画像にぼかしを入れてみましょう。
- 背景をぼかしたいスライドを選択する
- メニュー右の「背景の書式設定」を選択する
- 3つのアイコンの中から真ん中の「効果」アイコンをクリックする
- 「アート効果」右のアイコンをクリックする
- 表示された効果一覧から、2段目の一番右の「ぼかし」を選択する
- 「半径」のバーでぼかし具合を調整する
6の半径バーは、右に動かすほどぼかしが強くなります。テキストとのバランスを見ながら調整していきましょう。
iii. デザインテンプレートをベースにしながらスタイルを変更する方法
既存のデザインテンプレートをベースにしながらオリジナル性を加えたいときは、バリエーション機能で背景のスタイルを変えてみましょう。パワーポイントのバリエーションとは、テンプレートの配色やフォント、背景のスタイルなどを細かく変更できる機能です。
設定方法は以下の通りです。
- 「デザイン」タブを開く
- テーマ一覧の横にある「バリエーション」の下矢印をクリックする
- 「背景のスタイル」にカーソルを当てる
- 表示されたスタイルの中から、好みのスタイルを選択する
- 既存のデザインテンプレートの色や雰囲気が変わる
好みのスタイルがない場合は、2で表示されたメニューから「背景のスタイル」→「背景の書式設定」→「塗りつぶし(単色)」→色の横にあるバケツのアイコンから、色をカスタマイズできます。
iv. 背景にテクスチャを付ける方法
単色だと平坦に見えるときがありますが、背景にテクスチャを取り入れることで視覚的に奥行きが生まれ、スライドのデザインがより立体的になります。
手順は以下の通りです。
- 背景にテクスチャを入れたいスライドを選択する
- 「デザイン」タブの右にある「背景の書式設定」を選択する
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択する
- 「テクスチャ」横のアイコンから好みのテクスチャを選ぶ
- 背景が指定したテクスチャに変わる
テクスチャが目立ち過ぎるとテキストや図が見えにくくなる可能性があるため、適度なバランスで設定しましょう。テクスチャも画像の透かしと同様、透明度のバーを右に動かせば薄くなり、デザインに溶け込みやすくなります。
v. 背景にグラデーションやパターンを付ける方法
背景にグラデーションやパターンを付けると、スライドに動きや変化を持たせられます。柔らかい印象を与えたい場合は、以下の手順に沿ってグラデーションを足してみましょう。
- 背景にグラデーションやパターンを付けたいスライドを選択する
- 「デザイン」タブの右にある「背景の書式設定」を選択する
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(グラデーション)」を選択する
- 色の横にあるバケツのアイコンから好みの色を選ぶ
- 方向やグラデーションの分岐点を調整する
グラデーションの分岐点とは、色の変化が始まる位置を決める機能です。バーを動かしたり、プラスアイコンをクリックして分岐点を追加したりして、印象を変えてみましょう。
また、3で「塗りつぶし(パターン)」を選択すると、パターンがいくつか表示されます。パターンを選択すると、背景にマス目や斜線、点などが加わります。
ただし、配色によっては主張が強くなり過ぎる傾向があるため、全体のバランスを見ながら整えていきましょう。
このようなときはどうする?パワーポイントの背景設定に困ったときの対処法
パワーポイントの背景設定に関して、以下のよくある疑問や問題の解決方法を解説します。
- パワーポイントの背景を削除したいとき
- 背景に企業ロゴを固定位置で挿入したいとき
- 作成した背景を保存したいとき
i. パワーポイントの背景を削除したいとき
背景を削除してデフォルトの白の状態に戻したい場合は、以下の手順で操作しましょう。
- 「デザイン」タブの右にある「背景の書式設定」を選択する
- 「塗りつぶし」から「塗りつぶし(単色)」を選択する
- 色の横にあるバケツのアイコンから「白」を選択する
- デフォルトの白に戻る
全てのスライドを白紙にしたいときは、背景の書式設定メニュー下部の「すべてに適用」をクリックしてください。
ii. 背景に企業ロゴを固定位置で挿入したいとき
企業ロゴを固定位置で挿入したいときは、以下の手順で設定しましょう。
- 「表示」タブから「スライドマスター」を選択する
- 左サイドバー一番上のスライド「スライドマスター」をクリックする
- 「挿入」タブから「図形」を選択する
- ロゴの形に合った図形を選択する
- ロゴを入れたい位置にカーソルを当て、ロゴと同じ大きさの図形をドラッグで描く
- 右サイドバーの「図形の書式設定」から「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」をクリックする
- 「画像ソース」の「挿入する」から企業ロゴの画像を挿入する
- 挿入されたロゴを右クリックし、メニュー下部の「枠線」から「枠線なし」を選択する
- タブを「スライドマスター」に変え、「マスター表示を閉じる」をクリックする
ロゴの位置やサイズを調整したい場合は、スライドマスターを再び開いて調整しましょう。
iii. 作成した背景を保存したいとき
作成した背景を他のスライドにも使いたいときは、背景をテンプレートとして保存しましょう。保存方法は、以下の通りです。
- 上部の「ファイル」タブから「名前を付けて保存」を選択する
- 「参照」をクリックし、「ドキュメント」をクリック
- 「Office のカスタム テンプレート」フォルダを開く
- ファイルの種類を「PowerPoint テンプレート(*.potx)」にした後「保存」をクリックする
保存した背景を新しいスライドに反映させたいときは、「ファイル」タブから「新規」を選択→「個人用」(又は「カスタム」)を選択→保存したテンプレートを選び「作成」をクリックの順番で操作しましょう。
テンプレートの保存と読み込みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
パワーポイントの背景をおしゃれにデザインするコツ
パワーポイントの背景をおしゃれにデザインするコツを紹介します。ポイントを抑えて聞き手の印象に強く残る資料を作りましょう。
背景と文字の配色やバランスを整える
背景と文字のバランスは、資料の見やすさに関わる重要な要素です。濃い色の背景には白などの明るい色の文字を、薄い色の背景には黒やグレーなどの暗い色の文字を選びましょう。背景が白の場合は、シンプルな黒字で構いません。
グラフやロゴの色も見ながら、全体をバランス良く整えていきましょう。
背景を主張し過ぎない
背景はできるだけシンプルに、主張し過ぎないようにしましょう。主張し過ぎるとテキストやグラフが見えにくくなり、伝えたいメッセージが聞き手に伝わらなくなってしまうためです。
特にテンプレートの背景は一見華やかに見えますが、過度に装飾があるものだと、スライド上の重要な情報を埋もれさせてしまう可能性があります。聞き手が内容に集中できるよう、コーポレートカラーで全体を統一したり、先に文字の色付けを行ってから背景設定をしたりしましょう。
パワーポイントの背景を設定してみよう
パワーポイントの背景は、資料の見やすさや情報の伝わりやすさに大きく影響します。背景が変わっただけでも資料の見栄えやイメージが変わるため、文字やグラフなど他の要素とのバランスを見ながら設定してみましょう。
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