パワーポイントに文字を入力するには、プレースホルダーを用いる方法とテキストボックスを用いる方法の二つがあります。またパワーポイントには、文字をデザイン要素として活用するための、さまざまな機能が用意されています。テキストの書式や配置、図表化などの工夫をして、見る人の印象に残る資料を作成しましょう。
本記事では文字入力の基本操作や個性的な書式設定、SmartArtを利用した図表化などを詳しく解説しました。パワーポイントの使い方にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
パワーポイントで使える文字入力とは
パワーポイントで文字を入力する方法は大きく分けて以下の2つです。
- プレースホルダー(スライド上で文字、画像、グラフなどのコンテンツを挿入するための専用の領域)
- テキストボックス(スライド上で自由に配置できる文字入力用の枠)
i. プレースホルダー
プレースホルダーとは、スライドにあらかじめ表示されている点線の領域です(白紙のスライドを除く)。文字以外にも画像やグラフなどさまざまな要素を入れられますが、今回は文字入力に焦点を当てて解説します。
プレースホルダーの表示 | 入力できるもの |
---|---|
タイトルを入力・サブタイトルを入力・テキストを入力 | 文字 |
アイコン | ストック画像、図、アイコン、SmartArtグラフィック、レリーフ、ビデオ、表、グラフ ※パワーポイントのバージョンにより異なる |
文字の入力
プレースホルダーをクリックすると、ポインターが縦線(キャレット)に変わり、文字入力できる状態になります。
タイトルのプレースホルダーは、スライド一枚当たり一つしか配置できません。サブタイトルのプレースホルダーは複数配置することもできますが、スライド1枚に一つずつ配置するのが一般的です。一方で、テキストのプレースホルダーはサブタイトル同様、複数配置できます。
文字の書式設定
プレースホルダーに入力した文字に色やフォントなどの書式を設定する際は、次の手順で行います。
- ポインターが十字矢印の状態で枠線をクリック
- 「ホーム」タブの「フォント」から書式を設定
「特定の文字だけ色を変える」「一単語だけ太字にする」など、テキストの一部を変えることもできます。変更する文字をドラッグで選択してから設定しましょう。
プレースホルダーの自動調整を切り替える
入力した文章が長かったり文字が大きかったりすると、プレースホルダーの枠に収まらない場合があります。このようなとき、プレースホルダーは文字のフォントを自動で小さくして、枠内に入るよう調整します。
この機能を使うかどうかは、下記の手順で設定が可能です。
- プレースホルダーの左下に現れる「自動調整オプション」アイコンをクリック
- ポップアップメニューから以下のどちらかを選択
●「テキストをプレースホルダーに自動的に収める」
●「このプレースホルダーの自動調整をしない」
ii. テキストボックス
テキストボックスとは、スライド上で自由に配置できる文字入力用の枠です。縦書きと横書きがあり、スライド上に複数配置できます。
テキストボックスの挿入
テキストボックスは次の手順で挿入します。
- 「挿入」タブの「テキスト」から「テキストボックス」をクリック
(ここで横書き/縦書きを選択可) - スライドの上で任意の大きさまでドラッグする
文字の書式設定
テキストボックスの書式は、プレースホルダーと同じ要領で設定が可能です。
テキストボックスの自動調整を切り替える
入力したテキストの文字が枠に収まらない場合、プレースホルダーの初期設定では文字が自動的に小さくなります。これに対し、テキストボックスは文字をそのまま収められるよう、枠を拡大します。
この機能もプレースホルダー同様に、使うか外すかを選択できます。手順は以下の通りです。
- テキストボックスを右クリックして「図形の書式設定」作業ウインドウを表示
- 「文字のオプション」右端にあるテキストボックスのアイコンをクリック
- 次のいずれかを選択する
●「自動調整なし」
●「はみ出す場合だけ自動調整する」(文字を小さくする)
●「テキストに合わせて図形のサイズを調整する」(枠を拡大/縮小する)
パワーポイントに入力した文字を整える
パワーポイントでよくあるお悩みの一つが「文字を入力したけれど、何となく見にくい」と感じることではないでしょうか。そのようなときは、文字の色や配置を工夫すると解決できるかもしれません。
本項では、パワーポイントのテキストに書式を設定したり、レイアウトを調整したりする方法を解説します。
文字に図形の書式を設定する
プレースホルダーやテキストボックスの文字は「図形の書式設定」作業ウインドウで詳細な設定ができます。文字にグラデーションや柄を入れる、影を付けるなどさまざまな演出が可能です。
- ポインターが十字矢印の状態で枠線を右クリック
- ポップアップメニューから「図形の書式設定」を選択→右側に作業ウインドウが表示される
- 「文字のオプション」の以下項目から設定をする
●「文字の塗りつぶしと輪郭」
●「文字の効果」
文字のレイアウト調整をする
プレースホルダーやテキストボックスの文字は、箇条書きやインデントなどを使って見やすく調整できます。
- ポインターが十字矢印の状態で、プレースホルダー(またはテキストボックス)の枠線をクリック
- 「ホーム」タブの「段落」グループから設定が可能
「段落」グループで設定できる項目は下記の通りです。
箇条書き | テキストを箇条書きにする |
段落番号 | テキストに番号を振る |
インデントを減らす/増やす | 左インデント(縦書きは上インデント)を減らす/増やす |
左揃え/中央揃え/右揃え | テキストを左/中央/右にそろえる(縦書きは上/中央/下) |
両端揃え | 折り返した行の両端を左右の端にそろえる(縦書きは上下の端) |
均等割り付け | 折り返しに関係なく、全ての行の両端を左右の端にそろえる(縦書きは上下の端) |
段の追加または削除(段組み) | テキストを段組みにする(4段以上は下向き三角をクリックしてダイアログボックスから設定) |
文字列の方向 | 文字列の方向を横/縦/左90度/右90度/縦(半角も縦)にする |
文字の配置 | テキストを上/中央/下にそろえる(縦書きは右/中央/左) |
SmartArtに変換 | テキストを図表に変換する |
パワーポイントの文字を視覚的に入力する
パワーポイントの図形に添えたテキストは目を引きにくく、見落とされてしまう可能性があります。
そのようなときは、テキストを図形の中に入力すると目立つようになります。また文字数が少ない場合は、ワードアートでテキストそのものを図形にしてしまうのも一案です。本項ではこの2点について詳しく解説します。
図形の中に文字を入力する
パワーポイントの図形には、下記の手順でテキストを入力できます(コネクタとして使える線や曲線などテキストを入力するスペースがないケースを除く)。
- 図形の枠をクリックして選択
- そのままテキストを直接入力する
- 必要に応じて「ホーム」タブの「フォント」グループで文字色や背景色などを設定する
さらにもう1つ、図形とテキストボックスを組み合わせる方法もあります。直接入力よりも融通が利き、文字を自由に配置できます。
- テキストボックスに文字を入力し、文字色やフォント、大きさなどを書式設定
- テキストボックスの塗りつぶしと枠線を透明(もしくは任意の色)に設定(※)
- テキストボックスを図形の上にドラッグで移動する
- Ctrlキーを押しながら図形とテキストボックスを同時に選択し、右クリック→ポップアップメニューからグループ化する
※「ホーム」タブのリボンにある「フォント」「図形描画」、あるいは「図形の書式設定」作業ウインドウから設定できる
文字をワードアートで入力する
パワーポイントでは、文字自体を「ワードアート」というオブジェクトとして扱うこともできます。
- 「挿入」タブの「テキスト」グループから「ワードアート」をクリック
- 表示される20種類のスタイルから想定に近いものを選ぶ
- スライドに現れる文字ボックスにテキストを入力
- ESCキーを1度押し、ワードアートが選択された状態(白丸付きの枠線が表示された状態)にする
- 「図形の書式」タブの「図形のスタイル」「ワードアートのスタイル」、または「図形の書式設定」作業ウインドウから色や効果などを設定して仕上げる
パワーポイントのSmartArtでテキストを図表に変換する
SmartArtとは、テキストをピラミッドや階層構造などの図表に変換する機能です。種類が豊富に用意されており、複雑に見える図表でも簡単に作成できます。
SmartArtで使用可能な図表のレイアウトは以下の通りです。
レイアウト | 主な図表 |
リスト | カード型リスト、箇条書きリスト、階層リストなど |
手順 | ステップ、プロセス、タイムラインなど |
循環 | テキスト循環、ボックス循環、円型循環など |
階層構造 | 組織図、階層、リストなど |
集合関係 | バランス、フィルター、矢印など |
マトリックス | 基本マトリックス、循環マトリックスなど |
ピラミッド | 基本ピラミッド、反転ピラミッドなど |
図 | 画像やアイコンなどを使った図表 |
作成した図表を「図として保存」でパソコンに保存しておくと、Wordなど他のアプリでも画像として使えます。
図表を作成する
SmartArtの図表は、最初にテキストで項目を作る方法と、図表を作ってから項目を入力する方法の2通りがあります。
i. テキストを先に作る
- テキストボックスに図表の項目を箇条書きで入力(記号は不要)
- テキストボックスを選択した状態で「ホーム」タブの「段落」から「SmartArtグラフィックに変換」を選択
- 任意の図表を選択(表示されていない場合は「その他のSmartArtグラフィック」をクリックし、一覧から探す)
ii. 図表を先に作る
- 「挿入」タブの「図」から「SmartArt」をクリック
- 図表を選択する(サンプルをクリックすると右側に説明が出る)
- 図表が挿入されると現れる「テキスト」入力ウインドウから各項目を入力する(改行で項目を増やせる)
図表のデザインを設定する
SmartArtの図表は、作成した後でもデザインを柔軟に変更できます。
挿入した図表を選択すると「SmartArtのデザイン」という赤字のタグが表示されます。このタグからさまざまな設定が可能です。
図表の種類やレイアウトを変更する | ●「SmartArtのデザイン」タブの「レイアウト」右下にある線がついた下矢印をクリック→変更する図表の形を選択 ●変更したい図形がない場合は「その他のレイアウト」から一覧を表示して選択 |
図表の色を変更する | ●図表全体の色を変える場合は「SmartArtのデザイン」タブの「色の変更」をクリック→表示されたリストから任意の色を選ぶ ●1項目だけを変える場合は、変更する項目を選択し「図形の書式設定」作業ウインドウで色などを設定 |
図表のスタイルを変更する | ●「SmartArtのデザイン」タブの「SmartArtのスタイル」から任意のスタイルを選択 ●変更したいスタイルが出ていない場合は、右隅にある線付き下矢印をクリック→表示される一覧から選択 |
変更を元に戻す | ●「SmartArtのデザイン」タブの「グラフィックのリセット」をクリック |
図表をテキストや図形に変換する | ●「SmartArtのデザイン」タブの「変換」をクリックして、テキストまたは図形を選択 |
【まとめ】パワーポイントの文字入力を使ってデザイン性の高い資料作成を
今回の記事では、パワーポイントで文字入力や書式設定をする方法、SmartArtの使い方などを解説しました。
テキストだけで説明するのが難しい内容は、絵や図を併用すると分かりやすく伝わります。またSmartArtで図解化すれば、より詳細な情報を一目で示すことが可能です。パワーポイントの機能を有効活用して、視覚効果の高い資料を作成しましょう。
デザイン性の高いパワーポイント資料には、伝えたい情報の価値や訴求を引き出す力があります。自社のプレゼンテーションの魅力をさらに高めるには、プロのデザイナーに資料作成を依頼するのも一案です。
弊社で提供している「デザポ」は、パワーポイントの資料制作をプロのグラフィックデザイナーに依頼できるサービスです。弊社のデザイナー陣は全員がパワーポイントに精通しています。パワーポイントの使い勝手と機能をフルに活用した、美しい資料を作成できます。
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