営業活動において、完成度の高い営業資料は大きな武器になります。しかし「営業資料を作ったけれど効果が出ない」「良い営業資料が作れない」と、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では営業資料を作成するメリット、効率的な構成要素、デザインのポイントなどを解説しました。成果につながる営業資料を作りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
営業資料とは
営業資料とは、自社の商品やサービスを紹介するための資料です。
営業資料の種類は提案書や比較表、事例集などさまざまです。自社の商品やサポートの内容、営業方法に応じて数種類を作成しておくと、あらゆるシーンで有効活用できます。
営業資料を作成するメリット
営業資料の作成には、さまざまなメリットがあります。本項では以下の3点について解説します。
- 顧客の理解促進
- 商談の効率化
- ブランドイメージの向上
1. 顧客の理解促進
営業資料を活用すれば、複雑な仕組みや他社商品との比較など、言葉ではイメージしにくい情報を直感的に伝えられます。また口頭での説明を視覚から補完して、顧客の誤解や認識漏れを防ぐ効果もあります。
専門性の高い商品や複雑なサービスも、営業資料で仕組みや機能を図解すれば、分かりやすい説明が可能です。また営業資料は、経験が浅い営業担当者のプレゼンテーションを補助する役割も果たします。
2. 商談の効率化
商談に営業資料を用いると、スムーズなプレゼンテーションを展開できます。営業資料に沿って話を進めれば、自ずと説明の順番や内容が整うことも大きなメリットです。
営業資料には商品やサービスの内容、価格、メリットなどが明記されます。言い換えれば、営業資料は顧客が商品購入やサービス導入の判断に必要な情報をまとめたものです。そのため営業資料を作成すると、顧客にメリットや条件が伝わりやすくなり、契約率の向上が期待できます。
3. ブランドイメージの向上
営業資料は、自社ブランドの認知度とイメージの向上にも有効です。デザイン性とオリジナリティの高い営業資料なら、ブランドイメージを視覚的に展開できます。ロゴやコーポレートカラーを使用したり、画像や図表でイメージを強調したりすると、より効果的です。
パンフレットやカタログなど、特に視覚効果の高い営業資料では、写真とキャッチコピーを上手に組み合わせましょう。また経営理念やミッションなどをまとめた会社概要は、顧客が持つブランドイメージの強化と向上につながります。
営業資料の構成要素
以下は、営業資料に記載する構成要素の一例です。
- 表紙
- 商品やサービスの概要
- 解決可能な課題
- 商品やサービスの紹介
- 商品やサービスの強みと特徴
- 導入効果
- 他社サービスとの比較表
- 事例紹介
- 料金・費用対効果
- ご利用までの流れ
- FAQ(よくある質問)
- 会社概要・メディア掲載歴
- CTA(行動喚起)
本項では、これらの構成要素について解説していきます。
1. 表紙
表紙は営業資料のオープニングであり、顧客の第一印象となる影響力の高いページです。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●タイトル ●デザイン | ●タイトルは資料の内容が端的に伝わるようにする ●会社のブランド、商品やサービスのイメージに合うデザインにする ●ロゴやコーポレートカラーなどを効果的に活用する |
2. 商品やサービスの概要
どのような商品やサービスを紹介していくのかを伝えるページです。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●商品やサービスの説明 ●商品やサービスのイメージ画像 ●メリットやポイント | ●誰に向けたどのような商品なのかを説明する ●長文にならないよう簡潔に表現する ●英語や専門用語を避けて分かりやすく説明する ●画像やグラフ、図解などを適宜使用する ●メリットやポイントは箇条書きで伝わりやすくする |
3. 解決可能な課題
商品やサービスの対象としている企業や部署が抱えがちな課題を提示します。もの座か61
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●顧客が感じているであろう課題の提示 ●業界全体にありがちな課題の提示 | ●重要度の高そうな課題から記載する ●顧客が自分のこととして感じられるように説明する ●課題発生の具体的なシチュエーションを織り込む ●グラフや画像を効果的に使用する |
4. 商品やサービスの紹介
提示した課題に対して、自社の商品やサービスがどのように解決できるのかを説明します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●提示した課題の具体的な解決策 ●解決策の簡潔な説明 | ●課題をどうやって解決するのか分かりやすく示す ●商品やサービスの導入により見込めるメリットも説明する ●図解やイラストで視覚的に表現する |
5. 商品やサービスの強みと特徴
提案した課題の解決策について、一つひとつ詳細に説明します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●解決策の掘り下げた説明 ●自社の商品やサービスが提供できる貢献内容 | ●図解やグラフを使って視覚的に訴求する ●解決可能な課題、具体的な方法、解決できる理由などを具体的に説明する ●解決策1つにつき1ページが基本 |
6. 導入効果
自社の商品やサービスの導入で得られる効果を具体的に説明します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●利益上昇率やコスト削減額などの事例 ●課題解決の事例 ●導入後のイメージ | ●売上高や利益上昇率、コスト削減額、作業時間の短縮率などの数字やデータを具体的に示す ●一目で分かるようにグラフで可視化する ●説明欄で効果の具体的な説明をする ●導入後の明るいイメージを印象づける |
7. 他社サービスとの比較表
自社と競合他社の商品やサービスを比較して、他社に対するストロングポイントを示します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●利競合他社に対する自社商品の特長と強み | ●比較項目は「見込み客がよく質問すること」からピックアップする ●表や図で優位性を分かりやすく示す ●デザインの中で自社を目立たせる ●公平な視点で比較する |
8. 事例紹介
実際に商品やサービスを導入した顧客企業の事例を紹介するページです。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●導入した企業に関する情報 ●導入前の課題と導入後の効果 ●顧客企業の満足度と感想 | ●顧客情報を記載して信憑性を高める ●可能ならロゴや写真を使う ●課題と効果をできるだけ具体的に説明する ●複数企業の導入事例を紹介する |
9. 料金・費用対効果
商品やサービスの料金プランやオプション費用、費用対効果について記載します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●導入費用 ●料金体系・料金プラン ●サポート内容 ●オプション費用 ●トライアル期間 ●費用対効果の実例 | ●料金表の形で分かりやすく説明する ●オプションなど全ての費用を提示する ●複数のプランがある場合、比較しやすいように並べる ●「このような方におすすめのプラン」などターゲットの例を挙げる ●費用対効果は金額や時間、割合などを具体的に示す ●費用対効果は図表にして視覚的に表示する |
10. ご利用までの流れ
納品・導入までの流れをステップごとに記載します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
(記載例) ●お問い合わせ ●ヒアリング ●ご契約 ●制作・お支払い ●納品 | ●図表で分かりやすく提示する ●時間や別料金がかかる工程は具体的に表示する ●必要に応じて補足説明を追加する |
11. FAQ(よくある質問)
よくある質問をまとめておくと、顧客の疑問を事前に解消できます。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●顧客によく聞かれる質問をピックアップし、回答を記載する | ●商談時によく聞かれる質問に絞る ●否定的な回答はダイレクトな表現ではなく、代替案を提示するなど遠回しに断る ●質問事項が多い場合は見出しを作り、読みやすくまとめる |
12. 会社概要・メディア掲載歴
会社概要、メディアの掲載歴などを掲載して信頼性と権威性を高めます。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
●会社概要 ●経営理念やミッション (あれば) ●メディアに掲載された実績 ●執筆歴やイベントの登壇歴 | ●自社がどのような会社か分かってもらえる内容にする ●資本金や出資金を記載して信頼性を高める ●イメージアップにつながる素材があればなお良い ●メディア掲載歴やイベント登壇歴などはブランドイメージの強化につながる |
13. CTA(行動喚起)
最後に連絡先を明記して、問い合わせや購入などの行動を喚起します。
作成内容 | 注意点 |
---|---|
(一例) ●電話番号 ●メールアドレス ●自社WebサイトのURL ●問い合わせフォーム ●その他連絡先 | ●複数の問い合わせ先を用意する ●問い合わせ先であることを明記する ●Web資料ならリンクやボタンを設定して、ワンクリックで行動を起こせるようにする ●顧客の行動を喚起する文言を添える |
営業資料作成のポイント
営業資料は、顧客に「自分が導入を検討するべき製品・サービスだ」と感じてもらえる内容にすることが大切です。その上で、購入や導入のメリットをしっかり伝えなければなりません。
魅力的な営業資料を作成するには、押さえておくべきポイントがあります。
- ターゲットを明確にする
- 1ページ1項目で伝わりやすくする
- 分かりやすく数値を記載する
- 図表やグラフで効果的に訴求する
本項では、それぞれのポイントについて解説します。
1. ターゲットを明確にする
営業資料を作成するには、ターゲットの明確化が肝心です。
立場や職業、性別と年齢、所在地などによって抱える課題は異なります。まずはどのような顧客をターゲットと捉えるのか、具体的な設定をしましょう。
ターゲットの想定を誤ると、営業資料の方向性がずれてしまいます。顧客が何を求めているのか、同じ目線に立って考えることが大切です。
2. 1ページ1項目で伝わりやすくする
営業資料は1ページ1項目を心掛けて作りましょう。例えば1枚のページに「商品やサービスの概要」と「解決可能な課題」を同時に載せると、どちらも意図がぼやけてしまいます。
またレイアウトに適度な余白があることも大切です。余白が足りないと窮屈な雰囲気になるため、ページごと読み飛ばされてしまうかもしれません。
3. 分かりやすく数値を織り込む
導入効果や料金など、数値で表せる情報は、はっきりと示さなければイメージできません。具体的な数値を織り込んで、分かりやすく示すと訴求効果が向上します。
具体的な数値は、顧客が導入を検討したり、稟議を上げたりする際の判断材料になります。エビデンスを聞かれても答えられるよう、数字の背景を整理しておくのもおすすめです。
4. 図表やグラフで効果的に訴求する
営業資料には、数字と同時に図表やグラフを入れて、視覚効果を強調しましょう。
図表やグラフは文字や数字を読まなくても、仕組みや効果などが一目で分かります。サービスの流れを示すチャートや、コストの削減金額を表す棒グラフなどは、それだけで説得力を発揮します。ただし、使い過ぎにはご注意ください。
営業資料のデザインのポイント
営業資料はデザイン性も重要な要素です。内容が素晴らしくても、読みにくかったり目がチカチカしたりすると、見てもらえない可能性があります。
デザインを作成する際は、読みやすいフォントを選ぶ、目に優しい色使いをするなどの配慮が必要です。
本項では、営業資料のデザインのポイントを解説します。
色を3色に絞る
営業資料に使う色は、3色までに絞るとすっきりした印象になります。
色 | 選択基準 | 使用割合※ |
---|---|---|
メインカラー | コーポレートカラー、商品やサービスのイメージカラーなど | 25% |
文字色 | 黒、濃いグレー | ― |
アクセントカラー | メインカラーに合わせて選択 | 5% |
※残りの70%は背景(基本的に白)
もし3色で足りないときは、メインカラーやアクセントカラーの彩度を変えると変化をつけられます。
読みやすいフォントを使用する
読みやすい営業資料の作成には、フォント選びも重要です。パッと見たときに目に入りやすいフォントなら、モニターやプロジェクターにも向いています。一般的には「メイリオ」や「游ゴシック」の人気が高いようです。
また一つの営業資料で使うフォントは1種類にとどめましょう。いろいろなフォントを使ってしまうと、営業資料全体の統一感が損なわれます。文字の大きさも「中見出しは14pt」「本文は11pt」など、ルールを作って統一すると印象が整います。
【まとめ】営業資料のデザイン性を高めて効果的なプレゼンテーションを
商品やサービスの内容や導入メリット、費用対効果などが一目で分かる営業資料には、説得力と訴求力があります。デザイン性の工夫により、ブランド力やイメージを向上させることが可能です。
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デザポの公式Webサイトには、これまで作成したさまざまなデザインの実例が掲載されています。デザイン性の高い営業資料を作りたい方は、ぜひご覧ください。