パワーポイントは、プレゼンテーション作成をはじめとして資料作成やポスター作成など、さまざまな用途で便利に使えるソフトです。初心者の場合、どのようにスライドを作成すればいいのか、使い方でつまずいてしまうことがあるかもしれません。
そこで本記事では、パワーポイント初心者が知っておきたい基本知識や操作、活用シーンを解説します。
パワーポイントとは?
パワーポイントは、マイクロソフト社が提供しているプレゼンテーション作成ソフトです。企画書や資料、スライドなどを簡単に作成できるため、ビジネスのさまざまな場面で活用されています。
パワーポイントには、資料やスライドを作る機能だけでなく、発表の進行をサポートする機能も備わっているため、パワーポイントを上手く活用すれば、スムーズにプレゼンテーションを行うことができます。
また図形・画像・表・グラフなどを使って視覚的に分かりやすい資料を作れるのも特徴です。そのため、プレゼン以外にもPOPやチラシの作成など幅広い用途に使えます。
パワーポイントの基本機能

パワーポイントには、数多くの便利な機能が搭載されています。パワーポイントを使うと何ができるのか、まずは基本機能から解説します。
スライドの作成
スライドとは、プレゼンテーションを構成する1枚1枚のページのことを指します。プレゼンテーションは複数のスライドで成り立っており、スライドの作成はパワーポイントの基本的な機能の一つです。
パワーポイントを使えば、図やグラフ、イラストなどを使った視覚的に分かりやすいスライドを簡単に作ることができます。文章や話だけでは伝えにくい内容も、スライドの構成やデザインを工夫することで、より効果的に相手に伝えることができます。
アニメーション・画面切り替え
パワーポイントでは、図やグラフなどの視覚的な要素だけでなく、アニメーション効果を取り入れることも可能です。これにより、スライドに動きが加わり、見る人の注目を引きつけながら、伝えたい情報をより印象的に伝えることができます。たとえば、テキストが一文字ずつ表示されたり、図が順番に現れたりする演出を使うことで、聞き手の理解を促進できます。
また、アニメーションと同じく視覚的な演出として効果的なのが「画面切り替え」の機能です。これは、スライドからスライドへと移る際に使える演出で、フェードやスライドインなど、さまざまな切り替え効果を設定することができます。これらの切り替え効果を活用すれば、プレゼンテーションの展開にリズムを持たせ、聞き手を飽きさせずに最後まで関心を引き続けることができるでしょう。
単なるスライドの切り替えだけではなく、見せ方に工夫を加えることで、プレゼン全体の完成度が一段と高まり、伝えたいメッセージがより効果的に届くようになります。
スライドショー
スライドショーとは、パワーポイントで作成したスライドを全画面で表示しながら、順番にプレゼンテーションを進行するための機能です。プレゼンテーションの本番では、このスライドショー機能を使って、作成した資料をスクリーンやモニターに映し出し、聴衆に向けて話を展開していきます。
この機能では、スライドを前後に移動させる基本的な操作はもちろんのこと、スライドの繰り返し再生や、発表内容をそのまま録画する機能も備えています。録画機能を使えば、自分のプレゼンを見直して改善点を探したり、リモートでプレゼンテーションを共有したりすることも可能です。
さらに、スライドショー機能はビジネス用途だけでなく、旅行の写真をまとめたアルバムを表示するなど、プライベートシーンでも活用できる便利な機能です。見せたい順番や演出を調整して、ストーリー性のあるスライドショーを作成することができます。
パワーポイントの活用シーン
パワーポイントは、プレゼンテーションを作成するための代表的なソフトウェアですが、実際の活用範囲はそれだけにとどまりません。ビジネスシーンにおいては、提案書や報告書、ポスターなど、さまざまな資料作成に応用できます。多彩な機能を活かすことで、相手に伝わる資料作りが可能になります。
商談資料の作成

パワーポイントがよく使われる場面のひとつが、商談のための資料作成です。商談では、相手に自社の商品やサービスの魅力をわかりやすく、かつ印象深く伝える必要があります。伝え方によって、商談の成果に大きな違いが生まれることもあるため、資料の質が非常に重要です。
パワーポイントでは、情報を整理しながらスライドに視覚的な工夫を加えることで、相手の理解を助け、説得力のあるプレゼンテーションが可能になります。例えば、要点を箇条書きにして見やすくしたり、図やグラフで数字の根拠を示したりといった工夫を加えることで、提案の信頼性も高まります。
企画書の作成
新しいアイデアやプロジェクトを提案する際に必要となる企画書の作成にも、パワーポイントは非常に便利です。伝えたい情報を的確に伝えるためには、単に文章で説明するのではなく、視覚的にわかりやすい資料で補足することが効果的です。
パワーポイントを使えば、企画の背景や目的、提案の具体的な内容、予想される成果、実行スケジュールなどを、整理された構成とビジュアルで伝えることができます。こうした工夫を取り入れることで、提案内容の理解度が高まり、実現に向けた前向きな評価を受けやすくなるでしょう。
ポスターの制作
パワーポイントは、ビジネス資料だけでなく、広告やイベント告知用のポスターを制作するツールとしても利用できます。特に、キャンペーンの告知や商品の紹介など、目を引くデザインが求められる場面で活躍します。
パワーポイントには、図形やテキスト、イラストなどを自由に配置できる機能が揃っており、レイアウトの自由度が高いのが特徴です。さらに、Microsoftが提供する豊富なテンプレートを活用すれば、デザイン初心者でも短時間でクオリティの高いポスターが作れます。
加えて、印刷会社の多くがパワーポイント形式の入稿に対応しているため、作成したデータをそのまま印刷依頼に使えるというメリットもあります。
パワーポイントの便利な機能
ここまでご紹介した基本機能に加え、パワーポイントにはプレゼンテーションの準備や資料作成をよりスムーズにするための便利な機能が多数搭載されています。これらを活用すれば、作業効率がアップするだけでなく、より完成度の高いスライドを仕上げることができます。
スライドのテーマを使用する
パワーポイントでは、配色、フォント、背景などがセットになった「テーマ」をスライド全体に適用することができます。テーマを使えば、個別にデザインを調整しなくても、統一感のあるプレゼンテーションが簡単に完成します。
「テンプレート」とは異なり、テーマはあくまでも書式のスタイルのみを一括で適用する機能です。たとえば、表やグラフを挿入した際も自動的にデザインが整うため、初心者でもプロフェッショナルな見た目に仕上げることができます。
さらに、自分の好みに合わせたテーマをカスタマイズして保存することも可能です。頻繁に使うテーマがある場合は、あらかじめ編集・保存しておくことで、次回以降のスライド作成が格段に楽になります。
表を作成する
スライドに数値や情報を整理して載せたいときには、表の挿入が便利です。単に文字だけを並べるよりも、表を使うことで情報が整理され、視覚的にも理解しやすくなります。
パワーポイントで表を作る方法は非常にシンプルで、挿入したい行数と列数を指定してスライド上に配置するだけです。テキストボックスのようにドラッグ操作で表のサイズを調整できるため、他のオブジェクトとのバランスも取りやすくなっています。
また、スライドの構成要素である「プレースホルダー」から直接表を挿入できるので、自然な流れで表を組み込むことができます。
プレゼンテーションのリハーサルをする
「リハーサル機能」は、スライドを本番さながらに表示しながら、所要時間を計測できる機能です。発表時間が限られているプレゼンテーションでは、この機能を使ってあらかじめ時間配分を確認しておくことが重要です。
各スライドにどれだけ時間がかかるか、全体の所要時間がどれくらいかなどが把握できるため、本番に向けてのタイムマネジメントに役立ちます。また、スライドごとの時間の偏りに気づけるので、内容の修正やスライドの再構成にも活かせます。
使い方は簡単で、「スライドショー」タブ内の「リハーサル」ボタンをクリックすることで開始できます。「一時停止」や「再開」などの操作も直感的に行えるよう設計されており、練習後には記録された表示時間をスライドに保存することも可能です。
ショートカットキーを使用する
パワーポイントでは、よく使う操作を素早く行える「ショートカットキー」が多数用意されています。マウスでメニューから選択するよりも効率的に作業できるため、スライド作成のスピードを大幅に向上させることができます。
以下に、日常的によく使われるショートカットキーの例をいくつかご紹介します:
機能 | ショートカットキー |
---|---|
コピー | Ctrl + C |
切り取り | Ctrl + X |
貼り付け | Ctrl + V |
すべて選択 | Ctrl + A |
上書き保存 | Ctrl + S |
名前を付けて保存 | Ctrl + Shift + S |
新しいスライドの追加 | Ctrl + M |
グループ化 | Ctrl + G |
パワーポイントを終了 | Ctrl + Q |
これらの操作をショートカットで行えるようになると、ちょっとした手間が省けるだけでなく、作業全体の流れがスムーズになります。最初は一部のキーだけでも構いませんので、よく使うショートカットから徐々に覚えていくのがおすすめです。
パワーポイントを使いこなすためのコツ

パワーポイントを単に操作できるだけでなく、「伝わるスライド」を作成するためには、いくつかのコツを意識することが大切です。以下のポイントを押さえることで、資料の完成度をさらに高めることができます。
構成を先に作る
作成したい資料やプレゼンテーションの内容が決まっていたとしても、行き当たりばったりでスライドを作成してしまうとプレゼンテーション全体の流れがちぐはぐになり、スムーズに話を進められなくなる恐れがあります。聞き手に疑問を抱かせるプレゼンテーションは、本来伝えたい内容が伝わりづらくなる原因の一つです。
プレゼンテーション全体の流れをスムーズに進めるには、まず構成を先に作っておくことが第一のポイントです。そのためには、作成する資料の目的を明確にしておきましょう。
分かりやすいプレゼンテーションを作成するには、論理的な展開が有効です。構成の種類にはいくつかありますが、シンプルな構成には「概要」「詳細」「まとめ」の3点で構成される「SDS法」、説得力あるプレゼンテーションには「結論」「理由」「例」「ポイント」の4つの頭文字を取った「PREP法」で構成を作成しましょう。
フォントや色を統一する
パワーポイントで使用できる色も多彩で、多数のフォントも搭載されているので、イメージに合わせたデザインのスライドを作成できます。しかし、デザインにこだわるあまりにスライドごとに異なる色やフォントを使ってしまうと、統一感のないプレゼンテーションとなってしまいます。
資料やプレゼンテーションと作成する際の色やフォントは、できるだけ統一するのが基本です。また、フォントは視認性が高いゴシック体やメイリオ、色はベースカラー、メインカラー、強調色をそれぞれ70%、25%、5%程度の割合で使うように心がけましょう。
見出しと本文、注釈のフォントサイズも、スライドごとにバラバラでは視認性が落ちてしまいます。フォントサイズに関しても、すべてのスライドで統一しましょう。
一つのスライドにつき情報を一つにとどめる
多くの情報を盛り込もうと、一つのスライドに情報を詰め込みすぎることは避けましょう。スライド内の情報量が多すぎると、聞き手が本当に必要な情報を見つけづらくなるからです。しかし、その反対に情報量が不足していても重要なポイントを把握できなくなってしまうでしょう。
きちんと伝えるべき内容を伝えられるスライドを作成する際には、盛り込む情報は一つにとどめることが大切です。1スライドあたり1メッセージを意識して、文字数と情報量をできるだけシンプルにまとめましょう。どうしても盛り込みたい情報で図に変換できるものは、図で載せるのも一つのコツです。
【まとめ】

パワーポイントを使った資料作成は、単に操作方法を覚えるだけでは不十分です。本当に伝わるプレゼンテーションを実現するためには、構成をしっかり練ること、視認性の高いデザインを心がけること、そして情報の取捨選択を的確に行うことが求められます。
特に初心者のうちは、スライドを見た目よく仕上げることに意識が向きがちですが、最も大切なのは「何を伝えるか」「どう伝えるか」という点です。メッセージを明確にし、それを視覚的に分かりやすく表現することが、パワーポイントを使いこなす上での鍵となります。
もちろん、テンプレートやテーマ、アニメーション、スライドショーなどの便利な機能を活用することも重要です。こうした機能を適切に使えば、スライドの表現力が高まり、聞き手の理解をさらに深めることができます。
ただし、パワーポイントの操作やデザインに不慣れな場合、自分だけで全てをこなすのは難しいと感じることもあるでしょう。そうした時は、プロに任せるという選択肢もあります。
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パワーポイントの操作に慣れていない方や、より洗練されたプレゼン資料を必要とされる方には、プロの手によるスライド制作サービスの活用をおすすめします。
株式会社ユニモトが提供するデザイナーズパワーポイント制作サービス「デザポ」は、パワーポイント資料のデザインに特化したプロフェッショナルチームによるパワーポイント制作サービスです。専門知識と豊富な経験を持つデザイナーが、分かりやすさと美しさを兼ね備えたスライドを作成します。
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