パワーポイントでフォントを一括変更しよう!おすすめのフォントも解説

パワーポイントHowTo【応用編】
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パワーポイントでは、多数の種類のフォントを使用できます。選択するフォントの種類によっては視認性が落ち、プレゼンテーションの理解度にも影響することがあります。そのため、プレゼンテーションのフォントは見やすいものに統一することが重要です。

本記事では、プレゼンテーションのフォントを一括変更する方法やパワーポイントのおすすめフォント、フォント選びのポイントなどを解説します。

1. フォントの統一が重要な理由

パワーポイントでは数多くのフォントを利用できますが、プレゼンテーションを作成する際のフォントは、複数の種類を使うよりも、全て統一することが重要だといわれています。

なぜ、パワーポイントではフォントを統一することが重要とされているのでしょうか。その理由の1つが、読みやすさです。1つの資料やプレゼンテーション内でフォントがバラバラの場合、視認性が劣ってしまい、読み手の混乱を招く可能性があります。複数の種類のフォントを使うよりもフォントを統一する方が、正確に内容が伝わりやすくなるでしょう。

またフォントが統一された資料は、洗練された印象があります。ビジネスシーンで使用する資料は特に、フォントを統一するのがおすすめです。

パワーポイントで使用するフォントは、パワーポイントで資料を作成する前に決めておくと、スムーズに作成が進められるでしょう。

2. プレゼンテーション全体のフォントを一括変更する方法

パワーポイントで作成するプレゼンテーション全体のフォントは、スライドマスターを使用することで一括変更が可能です。

Windowsの場合は、まず「表示」タブの「マスター表示」グループの「スライドマスター」をクリックします。左側のウィンドウから、フォントを変更したいスライドマスターのサムネイルかレイアウトをクリックし、「スライドマスター」タブの「背景」グループにある「フォント」をクリックしましょう。フォント一覧が表示されるので、この中から変更したいフォントを選択します。

フォントを変更したら、「スライドマスター」タブを選択後、「マスタービューを閉じる」を選択すれば変更完了です。

macOSを使用している場合は、「デザイン」タブからプレゼンテーションテーマを選択してから、スライドマスタービューを使用するとプレゼンテーション全体のフォントの一括変更ができます。

「表示」タブにある「スライドマスター」をクリックし、「スライドマスター」タブから「フォント」をクリックすると、使用できるフォントが表示されます。この中から変更したいフォントを選択し、「スライドマスター」タブの「マスタービューを閉じる」を選択して標準ビューに戻ると、フォントの一括変更が完了です。

3. 1スライド内のフォントを一括変更する方法

1スライド内のフォントも、一括で変更が可能です。スライド内のテキストを全て選択、またはプレースホルダーをクリックします。「ホーム」タブにある「フォント」グループの「フォント」ボックスから、変更したいフォントを選択すると、1スライド内のフォントを一括変更できます。

フォントを変えたくないテキストがある場合は?

スライド全体のフォントを一括変更する際、一部のフォントを変えたくないことも出てくるでしょう。一括変更してから元に戻す手間をかけることなく、変えたくないテキストを一括変更から除外するには、テキストを全選択した後で、フォントを変えたくないテキストをCtrlまたはShiftキーを押しながらクリックします。 この操作を行うことで、最初の全選択を維持したまま、フォントを変えたくないテキストを除外した状態でのテキストの一括変更が可能となります。

4.「フォントの置換」からも変更可能

最初にご紹介したスライドマスターでフォント一覧からフォントを変更する方法以外に、「フォントの置換」オプションを使用してフォントを変換することも可能です。

「フォントの置換」オプションを使用するには、「ホーム」タブの「編集」グループから「置換」の右横の下向き矢印をクリックし、「フォントの置換」を選択しましょう。「フォントの置換」ダイアログボックスの「置換」フィールドで、変更したいフォントを選択し、「修正後の文字列」フィールドで使用するフォントを選択して「置換」を選択してから「閉じる」をクリックすると、フォントを変更できます。

5. フォントを一括変更した際の注意点

パワーポイントにはプレゼンテーション単位、またはスライド単位でフォントを一括変更できる便利な機能が搭載されていますが、フォントを変更することによって見た目が変わる場合があります。特に、フォントの一括変更後は以下の2点に注意しましょう。

a. レイアウトを見直す

パワーポイントで使用できるフォントは、全て同じ字間や大きさではありません。そのため、フォントを一括変更するとレイアウトが崩れてしまうことがあります。変更前のフォントでは問題なく表示されていたテキストでも、フォントを変更することで余計な改行ができてしまうなど、見た目が変わることが考えられます。

レイアウトの崩れを防ぐためにも、フォントを一括変更した後は必ずレイアウトを見直しましょう。

b. フォントの互換性をチェック

パワーポイントのフォントは、使用するOSやデバイス、パワーポイントのバージョンによって互換性がないものも含まれています。互換性がないデバイスでプレゼンテーションを閲覧した場合、フォントは代替フォントとして表示され、本来のレイアウトとは異なる表示となってしまいます。

つまり、選択するフォントによっては、フォントやレイアウトが想定通りに表示されないこともあるのです。代替フォントによってレイアウトが崩れたり視認性が落ちたりすることを防ぐには、フォントを変更する際に互換性もチェックしておきましょう。

6. フォントを選ぶ際のポイント

パワーポイントでフォントを選ぶ際は、作成するプレゼンテーションを読み手にきちんと読んでもらえることを意識するのが基本です。そのためには、以下でご紹介する2つのポイントを押さえておきましょう。

a. 可読性・視認性・判読性を意識

パワーポイントで使用するフォント選びでまず意識したいのが、可読性視認性判読性の3点です。

可読性とは対象となる物の読みやすさ視認性とは対象となる物を見たときに瞬間的に認識できるかどうか判読性とは文字をきちんと区別でき読み間違いがない文字や文章かどうかを指します。

この3点を意識してフォントを選ぶと読み手にとって読みやすく、正しい情報を読み取れるプレゼンテーションとなります。

b. 太字設定が可能かどうかをチェック

パワーポイントに限らず、文字を入力できるソフトではフォントをクリック1つで太字にできます。しかし、実は全てのフォントを太字にできるわけではなく、一部のフォントは太字に対応していません

また複数の太さを持たないフォント、パワーポイントに1種類の太さしか搭載されていないフォントもあります。このようなフォントは、太字をクリックしても太字に変えることができず、強調もできません。

パワーポイントのスライドに載せるテキストの中には、強調したり目立たせたりしたい部分がありますが、この部分を太字にできないと強調できず、重要な部分を目立たせることが難しくなってしまいます。

太字に対応していないフォントは意外に多いため、太字に対応できるかどうかも、フォント選びの際の重要なチェックポイントです。

7. パワーポイントのおすすめフォント6選

前述したように、パワーポイントで使用するフォントは可読性、視認性、判読性が高く、太字に対応しているフォントがおすすめです。ここでは、具体的に6つのフォントを紹介します。

a. メイリオ

メイリオは、パワーポイントのフォントに求められる可読性、視認性、判読性に優れた、パワーポイントに適した和文フォントの1つです。太字に対応しており、和文フォントながら英字もきれいに表示できる特徴を持ちます。

Windows Vista以降のWindows OSに搭載されているフォントなので互換性も高く、遠くから見ても判別しやすいのも、メイリオを使用するメリットです。

b. Meiryo UI

Meiryo UIは、メイリオを元に開発されたフォントです。こちらもWindowsにシステムフォントとして標準搭載されているため、高い互換性を持ちます。メイリオより文字間が狭い特徴を持っているので、限られたスペースに多くの情報を盛り込みたいスライドを作成する際に適しています。

ただし、Meiryo UIは文字間が狭いため、使用する際は窮屈で読みにくい印象を与える可能性がある点に注意しましょう。

c. 游ゴシック


游ゴシックは視認性が高い上、豊富なバリエーションの太さがある特徴を持つフォントです。メイリオと比較すると、漢字の中にある画と画の間の空間が小さめで詰まっている印象があるので、やや硬い印象があります。

游ゴシックはWindows8.1以上、macOS10.9以降に搭載されているフォントですが、Windows7はマイクロソフトの公式サイトからダウンロードしなければ表示できない点で、メイリオよりも若干互換性が落ちます。

d. Arial

Arialは、文字の両端に装飾が施されていないサンセリフ書体の1つで、WindowsとmacOS両方に搭載されています。Web広告などに多く使用されている汎用性の高い書体で、シンプルでクリーンな字体が比較的ビジネスライクな印象を与えるため、ビジネス文書やビジネス向けのプレゼンテーションに適した書体です。

他の和文フォントとの相性も良い書体なので、フォント選びに迷った場合はArialを選ぶと無難でしょう。

e. Segoe UI

Segoe UIもArial同様サンセリフ書体の1つで、英語のテキストに適したモダンで洗練された印象を与えるフォントです。フォントの形状が美しく文字の間隔が広めなので視認性が高く、小さめのサイズでも読みやすいので、広い会場でのプレゼンテーションに適しています。

メイリオとサイズの差が少ないので、日本語と併用しやすい特徴があります。また、太さの種類が多いのも、Segoe UIの特徴です。太さはLightSemilightRegularSemiboldBoldBlackの6種類から選択できます。

f. Calibri

CalibriもArialやSegoe UIと同じサンセリフ書体で、Windowsに標準搭載されているフォントです。文字の線が細めで丸みがある特徴があるので、読みやすく優しい雰囲気を持ちます。

しかし、和文フォントと一緒に使うと文字の大きさが合わずバランスが崩れやすく、和文フォントの併用には相性が良くないので、英文のみのテキストに適したフォントといえます。

8. 和文・欧文フォントの組み合わせも重要

英数字が多く含まれるテキストの場合、和文と欧文フォントの組み合わせも重要なポイントです。スライド内のフォントは統一して1種類のみ使用することが多いですが、英数字が含まれるテキストの場合、日本語は和文フォント、英数字は欧文フォントと使い分ける方が、読みやすく視認性が高くなります。

これは、和文フォントが全てのフォントの横幅が同じ「等幅フォント」であるのに対し、欧文フォントが文字によって横幅が異なる「プロポーショナルフォント」であるという違いによるものです。そのため、和文フォントのみで英数字を使うと、横幅が同じになることで見栄えが悪くなってしまいます。

特に英数字が多く含まれるテキストの見栄えを良くするには、和文フォントと欧文フォントの組み合わせも意識して作成しましょう。

9. フォント変更をさらに効率化するテクニック

パワーポイントのフォント変更は比較的簡単な手順で行えますが、さらに効率化したい場合は、以下でご紹介するテクニックを実践してみましょう。

a. テンプレートを作り既定のフォントを保存する

既定のフォントをテンプレートとして作成しておくと、フォントの更新内容も保存されるので、次回以降のプレゼンテーション作成時に同じフォントを使用できます。

テンプレートを作成するには、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択してから、「コンピューター」から「参照」を選択し、「C:\Users\<your username>\Documents\Custom Office テンプレート」に移動しましょう。

「ファイル名」のボックスにテンプレート名を入力し、「名前を付けて保存」のドロップダウンメニューから「PowerPointテンプレート」を選択して保存します。

保存したテンプレートは、プレゼンテーションを新規作成する際に「ファイル」から「新規作成」を選択した後、「カスタム」から「カスタムOfficeテンプレート」の中から使用できます。

b. プレースホルダーごとにフォントを設定

プレースホルダーとは、テキストなどの書式を事前に設定できるコンテナーです。プレースホルダーを使用して書式設定すると、スライドの書式設定がしやすくなります。

プレースホルダーのフォントは、スライドマスタービューで設定します。その後、「標準」ビューからプレースホルダー(コンテンツを追加)を使用しましょう。

10. まとめ

多くのフォントを使用できるパワーポイントですが、選ぶフォントによっては読みにくく理解度が下がる可能性があります。そのため、プレゼンテーション作成時は読みやすさ・見やすさなどを考慮したフォント選びが重要です。今回解説したおすすめフォントや一括変更機能を使用して、選択したフォントを変更してみましょう。

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