分かりやすい研修資料の作り方は?手順や注意点を解説!

資料作成ノウハウ
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企業などの研修では、分かりやすい研修資料を作ることが重要です。パワーポイントは研修資料作成に便利なツールですが、いざ作成してみると、見にくい、読みにくい、内容が伝わりにくいなどの問題が発生することもあるでしょう。内容がきちんと伝わる分かりやすい研修資料を作成するには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。

本記事では、研修資料作成時に知っておきたい作り方の手順や注意点を解説します。

分かりやすい研修資料を作るメリット

内容を理解しやすい研修資料を作ることは簡単ではありません。研修資料を作成する際は、情報を整理してまとめる必要があり、内容のバランスを整えて、かつ分かりやすく伝えることが求められます。

パワーポイントなどのスライドショー作成アプリケーションを使った研修資料は、視覚的に内容を理解できるので、口頭だけでは伝わりにくい内容でも伝わりやすいメリットがあります。研修受講者も手元に資料があれば見返しやすくなること、定期的に行う社内研修では、作成した研修資料を次回以降の研修でも使えるので、研修のノウハウを蓄積できる点もメリットです。

研修資料は研修受講者の目線で作成する必要もあることから、分かりやすい研修資料の作成は研修担当者にとって、思いの外難しいと感じることもあるでしょう。分かりやすい研修資料を作成できれば、受講者が理解を深めやすく、きちんと伝えたい内容を伝えられます。

研修資料の作り方4ステップ

研修資料の作成は、行き当たりばったりで進めてしまうと効率が悪く、必要な情報が漏れてしまったり無駄に情報量が多過ぎたりする資料になってしまいます。そこで、研修を効果的に進めるための、研修資料の作り方の4つのステップを解説します。

STEP 1. 研修の目的を明確にする

研修資料を作成する際は、最初に研修の目的やテーマを明確にすることが重要です。研修資料で冒頭に研修の目的を明示することで、これから作成する研修内容に一貫性が生まれやすくなります。研修の参加者や課題などを理解した上で、研修を通して何を理解してもらいたいか、どのような状態になってもらいたいかのゴールをイメージし、目的を設定しましょう。

最初に目的やテーマを明確化できていれば、研修参加者の目的やレベルに合わせた内容の設定、必要となる情報の整理やリサーチがしやすくなります。研修資料を作成する過程で内容がブレることなく正しい方向性で作成しやすくなる点も、研修の目的を明確にするメリットです。

STEP 2. 研修対象者や研修方法を確定する

前述した研修の目的とともに、研修資料作成前に確定しておくべき点が、研修対象者や研修方法です。研修を受ける対象者を確定することにより、ゴールも明確となります。

また、研修内容のレベル設定においても、研修対象者の確定が重要です。例えば、新入社員と中堅社員が持つ業務に関する知識量が異なることは明らかです。研修対象者の設定を誤ってしまうと、研修内容のレベルが合わず、効果的な研修が実施できなくなってしまいます。そのため、研修資料作成に取りかかる前に研修対象者を確定しておきましょう。研修対象者が明確になれば、研修の実施方法確定につなげられます。

STEP 3. 研修全体の構成を作る

研修の目的やテーマ、研修対象者が確定した後は、研修の構成作成に進みます。構成を作成せずに資料作成に進んでしまうと、多くの情報を分かりやすくまとめることができなくなったり、後で、必要な情報の漏れやミスが発生した際の修正に時間がかかったりする恐れもあります。分かりやすい研修資料を作るためには、ここまでのステップで収集した情報を元に、研修資料の構成を組み立てていきましょう。

研修資料の構成は、導入メイントピック結論・まとめの3種類の要素で、以下に挙げる内容で組み立てます。

  • 導入

研修資料の導入では、まずタイトル・表紙の後に研修の目的や内容の概要などの前提を、研修受講者と共有します。その上で課題や問題の提起をし、研修資料の目次もこの導入部分に盛り込みましょう。

  • メイントピック

メイントピックは、研修資料の本題となる部分です。導入で提起した課題や問題の具体的な解決方法や実施方法、その方法で期待できる効果などを盛り込みます。

  • 結論・まとめ

メイントピックまでの内容を最後に振り返り、総括します。その他の補足や連絡事項などがある場合は、最後のまとめ部分に組み込みましょう。

研修資料の構成を作成する場合は、いきなり内容を作成するのではなく、まず必要なキーワードやトピックを箇条書きにして、取り上げる順番を作るところから始めましょう。この時点で細かな内容を決めるよりも、最初に骨組みを作ってから肉付けをする方が、後から修正がしやすくなります。構成作成時点では大まかな内容で問題ないので、まず話の流れを作ることを意識して構成を作成しましょう。

STEP 4. 詳細部分を作る

作成した構成に基づいて、詳細な内容を加えていきます。テキストの作成をはじめとして、内容に応じて文字を強調したり、図やグラフなどを活用したりして分かりやすく伝えるのがポイントです。詳細部分の作成は、一度で完全なものの作成を目指すよりも、下書きをしてアウトラインを整えるところから始めましょう。

メイントピックの内容は、研修資料で重要となる部分です。しかし、構成を作成した時点の情報は根拠が明確でなかったり、仮説だったりすることがあります。詳細部分を作成するときは、構成作成時点で挙げた内容を裏付ける根拠となるデータを集めましょう。

詳細部分の作成が完了した後は、改めて情報やデータの誤りがないか、誤字脱字がないかをチェックします。同時に、内容を精査して直感的に分かりやすい図やグラフに置き換えられる部分は適宜置き換えるなどすると、より受講者の理解を促せる研修資料になります。

分かりやすい研修資料を作るポイント9つ

パワーポイントで研修資料を作る場合は、いくつかのポイントがあります。分かりやすさを意識して研修資料を作るには、以下でご紹介する9つのポイントを押さえておきましょう。

1. 1スライド1メッセージを守る

パワーポイントのスライドは、情報を詰め込み過ぎると要点が分かりにくく、何が重要なのかを把握してもらいづらくなり、理解度が下がる可能性があります。伝えたいことを正確に理解してもらうには、スライドに盛り込む情報を簡潔にまとめて印象付けなければなりません。そのためのポイントが、「1スライド1メッセージ」です。

1スライド当たりに盛り込むメッセージを1つに絞り込むと印象に残りやすく、重要なポイントが伝わりやすくなるので、研修受講者の理解度や定着度のアップが期待できます。

2. 見出しやポイントのみをスライド内に入れる

研修資料は資料だけで情報を伝えるものではなく、研修の講師の話の補助として使うものです。そのため、研修資料に研修内容全てを盛り込む必要はありません。

また前述したように、1つのスライドにあまりに多くの情報を盛り込み過ぎると、内容が分かりにくくなってしまうだけではなく、研修時にスライドのテキストを読むことに集中されてしまい、講師の話が頭に入って来なくなる状況も考えられます。このような理由から、研修資料のスライドには見出しやポイントのみを簡潔に入れるのがポイントです。

3. 数値はビジュアルに落とし込む

数値はただ羅列されているだけでは把握しづらく、印象に残りにくいものです。スライドに数値を示す場合は、数字に加えて図やグラフに落とし込んで盛り込みましょう。

図やグラフは直感的に数値を把握でき、印象にも残りやすくなります。

もし作成中のスライドに数値が使われていて、文字が多い印象の場合は、ビジュアルに落とし込める項目がないかを確認しましょう。ビジュアルに置き換えられる項目は、できるだけ置き換えることで理解度を深めて印象に残るスライドに仕上げられます。

4. レイアウトを整える

研修資料は複数のスライドから構成されることが一般的ですが、それぞれのスライドに統一感がないレイアウトでは見づらく、理解度が落ちてしまうことが考えられます。伝えたい内容を効果的に伝えるには、レイアウトを整えることもポイントです。

レイアウトをそろえて、異なるスライドでも重要な項目を置く場所を固定しておくと、研修受講者はどの項目がスライドの中で重要なのかを把握しやすくなるメリットもあります。

スライド作成時は、タイトルやテキスト、画像の位置など、統一感を意識して配置することでレイアウトを整えましょう。

5. 関連する情報は近づける

同じスライド内に置く情報も、レイアウトを工夫する必要があります。もし複数の項目が同じスライドに置かれている場合は、関連する情報は近づけて配置しましょう。例えば、図に対する説明文は、できるだけ図に近づけて配置します。

そうすることで、何がどの内容に対応しているかが一目で分かるスライドができるでしょう。

6. 色やフォントに統一感を持たせる

各スライドの色やフォントがバラバラでは、ごちゃごちゃとした印象の研修資料になってしまいます。色とフォントも統一感を持たせると、読みやすい資料にできるでしょう。

使用するフォントは、複数の種類を混在させると読みにくくなるため、全ての資料でフォントを統一することもポイントとなります。読みやすさを意識するなら、明朝体よりも視認性が高いゴシック体を使用する方がおすすめです。

7. 研修スタイルに合うフォントサイズにする

小さ過ぎるフォントは、当然ながら読みにくくなります。研修資料に使用するフォントサイズは、研修スタイルに合わせて選択しましょう。

例えば、一般的なビジネスシーンで使用する研修資料なら、パソコンとプロジェクター両方で見やすいサイズを選択します。タイトルは24pt程度、見出しは16~18pt、本文は14ptのサイズに設定するのがおすすめです。

プロジェクターで投影することを前提とした研修資料では、タイトル36pt以上、見出し28pt以上、本文24pt以上と、パソコンで使用する際よりも大きめのフォントサイズにすると読みやすさがアップします。

8. 装飾は最低限にとどめる

スライドの内容で強調したい部分がある場合、装飾をして目立たせようとすることがあるでしょう。しかし、過剰に装飾をするとスライドがごちゃごちゃとして視認性が落ちる上に、受講者が内容を理解しにくくなる原因となる可能性があります。

1つの研修資料で使用する色やフォントの種類は統一するとともに、スライドに使用する装飾をできるだけシンプルに、最低限にとどめるよう心がけましょう。

装飾は最低限に、研修資料全体で統一することを基本として、装飾を加える場合はルールを決めておくのも1つの方法です。強調するには太字を使わずに統一したフォントサイズを使用する、斜体は特定の単語のみに使用するなどのルールを決めておくと、統一感のある研修資料になるでしょう。

9. 余白を作る

視認性が高く理解しやすい研修資料を作るには、余白を作ることが重要なポイントです。スライドに余白があると、余白をギリギリまで使って情報を盛り込みたくなったり、図や文字などを加えたくなったりするかもしれません。しかし、図や文字同士の間に余白が少ないと、窮屈で見にくい印象を与えます。読みやすい研修資料を作るには、余白を十分に確保しましょう。

【まとめ】

研修資料は、研修受講者にとって分かりやすく、内容を正確に伝えられる内容で作成するのが理想的です。しかし、つい情報を盛り込み過ぎたり過剰な装飾をしたりすることが多く、想定以上に読みにくく理解しにくい研修資料になることもありがちです。伝わる研修資料を作成するには、今回ご紹介したポイントを押さえてみましょう。

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