【054】学会発表用スライドの基本構成と作成のポイントを徹底解説!

資料作成ノウハウ
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パワーポイントは、学会発表を行う際にも使用されることが多いツールです。口頭のみで発表を行うよりも聞き手に情報を伝えやすく、理解してもらいやすいのが、スライドを使うメリットです。

そこで本記事では、学会発表用のスライドを作成する際に押さえておきたい基本構成と作成する際のポイント、学会発表へ向けた準備について解説します。

学会発表用スライドの基本構成

まずは学会発表用のスライドの構成要素をご紹介します。

タイトル

タイトルに続くスライドでは研究に至った背景や目的を説明し、なぜこの研究を行うのか、その動機や問題、課題を冒頭で明確にしましょう。

また現在解決されていない問題や、明らかになっている事実、研究を行う上での課題、仮説なども説明します。

なお、学会発表の冒頭部分で専門性の高い話題ばかりが続くと、聞き手の理解が追いつかなかったり、興味を持ってもらえなくなったりすることがあります。いきなり研究内容の本題に入る前に、多くの人が理解・共感できる内容から始めるのがポイントです。

研究の手法やプロセス

研究の目的や背景を述べた上で、どのような方法やプロセスを経て研究を行ったのか、実験や調査方法などを具体的に説明します。手法の選定方法や理由、他の手法との比較も組み込むと、より説得力と信頼性の高い内容となります。

統計データが含まれる場合は、信頼性を示すためにデータの収集方法や母集団の特性について言及しましょう。

研究の結果と考察

具体的なデータを挙げて、研究で得られた結果を明確に述べます。研究結果を示すスライドは、テキストだけではなく図表やグラフ、画像などを交えて視覚的に分かりやすい内容にすることが重要です。研究内容やデータの内容に応じて、音声やアニメーションを使用すると、聞き手の理解度を高められます。

また考察とは、研究結果に対する解釈や意味付けのことです。なぜそのような結果が出たのか、結果からどのようなことが分かるのか、また研究の目的は果たされたのかなどを明確に伝えます。

研究によって新しい発見や想定外の結果が出た場合は、それによる影響なども併せて述べます。研究の価値を高める上でも重要なスライドといえるでしょう。

今後の展望や課題

学会発表の最後のスライドには、研究の内容と結果をまとめ、そこから導き出した今後の展望や課題も盛り込みます。

研究結果は話し手の提案・主張を明確に、かつ分かりやすく要約しましょう。要点を冒頭に述べてその後に具体的な説明をすれば、聞き手が途中のスライドの内容を忘れた場合でも、まとめを見直すことで思い出すことが可能となります。

また、今回の研究で解決できなかった課題、今後の新たな研究につながる展望なども、学会発表用スライドの最後に組み込むと、発表内容の客観性が増して説得力も高まります

学会発表ではこのスライドを基に質疑応答が行われるため、今後の展望や課題は質疑応答を前提として、質問とそれに対する回答を想定しながら作成しましょう。

学会発表用のスライド作成のポイント

学会発表用のスライドを作成する際は、内容を正しく伝えられるよう意識することが重要です。発表内容を聞き手にきちんと伝えるには、以下のポイントを意識してスライドを作成しましょう。

箇条書きなどでシンプルにまとめる

学会発表用スライドに限らず、パワーポイントで作成するスライドに盛り込む内容は、1スライドにつき1メッセージが基本です。スライドにはつい多くの情報を盛り込みたくなることがありますが、複数の内容が含まれたスライドは情報量が多く、聞き手が混乱したり理解しづらくなったりするため、1スライド当たりの内容は1つに絞り込みましょう。

また、学会発表用のスライドは、あくまでも口頭での発表を補助するツールの一つです。スライドが学会発表のメインではないため、スライド内の文章を長くする必要はありません。長文はスライドを読みにくくする原因となるため、箇条書きなどを使用して、テキストはできるだけシンプルにまとめましょう。

見やすいフォントを選ぶ

スライドは学会発表の補助ツールではありますが、見やすさは重要なポイントです。使用するフォントは、聞き手が見やすいものを選びましょう。一般的には、日本語にはゴシック体英字にはサンセリフ体がよく使用されています。

フォントに加えて、フォントサイズもスライド作成時に気を付けたいポイントです。小さ過ぎるフォントや大き過ぎるフォントは読みづらいので、できるだけ18pt以下に抑えましょう。

フォントの種類やフォントサイズがバラバラの学会発表用スライドも、聞き手の混乱を招く要因となります。全てのスライドのフォントを統一し、フォントサイズも見出しや本文などスライド全てで統一するよう心掛けましょう。

色数を絞る

スライドに使用する色は、原則的に3色に絞りましょう。色数を絞ることで、どの部分が重要なのか判別しやすくなります。

スライドで使う3色は、スライドのテキストに使用する「ベースカラー」、装飾や見出しに使う「メインカラー」、重要な部分を目立たせるために使う「アクセントカラー」の3種類です。それぞれ使用する割合は、ベースカラー70%メインカラーが25%アクセントカラー5%が理想です。

ベースカラーは使用頻度が多い色なので、明度や彩度が高い色よりも黒や紺などの見やすい色を使用しましょう。次に多く使用するメインカラーは、ベースカラーと合う色、目立たせる必要があるアクセントカラーはメインカラーと反対の位置にある補色を使うのがおすすめです。

レイアウトを統一する

スライドにはテキストの他に画像やグラフ、アニメーションなども盛り込めますが、これらの要素をスライドごとに異なるレイアウトで配置すると、統一感がなく読みづらいスライドになってしまいます。

読みやすいスライドを作るには、テキストや画像などのレイアウトを全てのスライドで統一しましょう。文字のスタート位置やグラフの大きさなどをそろえるだけで、統一感のあるスライドができます。

パワーポイントでは、各オブジェクトの位置をそろえられる「整列」機能を使用したり、オブジェクトをドラッグした際に表示される線に合わせて配置したりすることで、レイアウトをそろえられます。

行間や余白を意識する

スライド作成では読みやすさが重要なので、テキストの行間を取ることも意識することが重要です。行間が狭過ぎるテキストは、見た目にも行が詰まり過ぎていて読みにくくなります。パワーポイントの初期設定のままでは行間が狭過ぎるため、余裕を持った行間を設定しましょう。一般的には、1.1~1.5倍程度の行間を取るのが適切です。

読みやすさを意識したスライドを作るには、余白を適度に取ることも大切です。前述したように情報が多過ぎるスライドは理解しづらくなる原因ですが、余白を十分に取れていないスライドも情報が多過ぎるため読みにくく理解しにくくなってしまいます。

画像やグラフ、テキストなどのレイアウトをそろえると同時に、要素を詰め込み過ぎることなく、適度に余白を取ることを意識してスライドを作成しましょう。

スライドを使った学会発表に向けた準備

学会発表でスライドを作成・使用するには、スライドを作成した後の準備も重要です。学会発表は作成したスライドを見せるだけではないため、スライドをいかに効果的に発表に活用できるかは、事前にしっかり準備しているかどうかが影響します。

スライドを使った学会発表をする際は、以下の4点を準備として実施しましょう。

第三者にスライドをレビューしてもらう

学会発表用のスライドは、完成してすぐに発表に使用することは避け、必ず完成後に第三者にレビューをしてもらいましょう。完成後のスライドを自分だけでチェックすると、ミスを見落としたり、客観性の欠けた内容になったりします。

そのままの状態でスライドを使い、学会発表の場でミスが発覚するのは避けたいところです。

このような事態を防ぐためには、第三者によるレビューでスライドの内容の不備やミスを指摘してもらい、修正へつなげることが大切です。

ファイル形式や仕様を確認しておく

学会発表でスライドを使用する際は、その学会の会場に設置されたパソコンを使用してスライドを投影する場合があります。使用するソフトのバージョンによっては作成したスライドが使用不可となる場合がある点に注意が必要です。

また学会では、使用できるファイル形式やソフトウェアのバージョンが指定されているはずです。必ず事前に対応するファイル形式と仕様を確認し、対応する形式のスライドを作成しましょう。

さらに動画やアニメーションを使用したスライドでは、会場で使用するパソコンのスペックに合わず正常に再生できないこともあります。会場のパソコンのスペックに合わせて、動画やファイルの容量を抑えることも大切です。

発表用原稿を準備しておく

学会発表用スライドは口頭での発表を補助するためのツールです。スライドを元に発表するものではないため、必ずしも全ての情報をスライドに盛り込む必要はありません。つまり、スライドは発表用の原稿というわけではないので、別に準備しておく必要があります。

スライドには詳しい内容を盛り込めませんが、口頭で発表する発表用原稿は必要な情報を入れられます。ただし、要点をまとめて分かりやすい内容であることが大切です。

発表用原稿をスライドとは別に作成しておくと、学会発表前の段階でスライドの不備や誤りを見直す機会にもなるでしょう。

発表の練習をしておく

学会発表に慣れていない方や、学会発表が初めての方は特に、発表の練習をしておくことをおすすめします。学会発表では限られた時間内で口頭発表を行う必要があるため、リハーサルで発表用原稿とスライドを使い、声に出して発表する練習を行いましょう。

練習の際は、各スライドの流れは適切か、無駄な内容が含まれていないか、きちんと聞き手に伝わる内容となっているか、スムーズに規定の時間内で話せているかなどをチェックしましょう。練習の様子を録画して見直すと、客観的に発表の内容を確認でき、改善点も見つけられます。発表の練習も、スライドと同様に第三者にチェックしてもらうことで、自分では気付かないミスや改善点を把握できるでしょう。

まとめ

学会発表のスライドを作成する際は、研究内容とその結果を伝えるための構成作りや、見やすさを左右するフォント・レイアウトなどの基本的なポイントを押さえましょう。また口頭で発表することを想定し、事前に練習しておくことも重要です。

学会発表用スライドは、自身の研究成果を発表する際に用いる大切な資料です。「パワーポイントの操作に慣れていない」「デザインでつまずいてしまう」「資料の構成がうまく作れない」という場合は、デザインのプロが手掛けるデザイナーズパワーポイント制作サービス「デザポの利用を検討してみてください。デザインの力で内容が伝わる高品質なスライド作成が実現します。

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